聖徒伝58 ヨブ記 あなたの腰に帯を締めよ
【メッセージアウトラインPDF・資料はこちら➡】58_ヨブ記_201108
ヨブ記とは
諸書で最も古い書簡がヨブ記です。文学書であり、戯曲の形で記されています。
年代、著者は不明。アブラハム以前のカナン東部のエドムが舞台だと推察されます。
聖書はヨブを、聖書を代表する義人、忍耐の人と記録しています。
第一幕 ヨブを襲う試練 1~2章
神を恐れる義人ヨブは、神に祝福され、家族にも富にも恵まれていました。
ある時、告発者サタンは、ヨブの不従順を証明しようとして、神から、ヨブに試練を下す許可を取りつけます。
子どもたちと財産を失ったヨブでしたが、それでも神を呪いませんでした。
サタンは、ヨブの健康も奪いますが、ヨブの信仰はそれでも保たれました。
第二幕 友人達との論争 3~37章
ヨブを見舞いに来た3人の友人。知者である彼らは、ヨブのあまりの苦難にかける言葉もありませんでした。
沈黙に耐え切れず口を開いた友人たちは、ヨブの罪が原因だと責めました。
孤独こそヨブへの最後の試練でした。
友人たちへの論争のただ中で、ヨブは驚くべきメシア預言を告げています。
「私を贖う方は生きておられ、ついには、土のちりの上に立たれることを。(ヨブ19:23~25)」
苦難の中で、ヨブの信仰は磨き上げられていったのです。
第三幕 神からの問い 38章~42:6
ついに神が口を開きます。
しかし、それは、ヨブへの答えではなく、神からヨブへの一方的な問いかけでした。
神の問いかけは、38章から42章まで。5章にも渡ります。
ヨブにできたのは、自分のちっぽけさを認め、沈黙することだけでした。
終幕 ヨブへの祝福 42:7~17
主は、3人の友人の罪の贖いのため、ヨブにとりなしを命じられました。
ヨブが友人たちのために祈ったとき、主は、ヨブを回復されたのです。
ヨブは、以前の二倍の祝福を得、新たに子をもうけました。
美しく主に従順な3人の娘たちは、当時の慣習の枠を越えて、相続地を与えられています。
この後、140年生きたヨブは、主の祝福に満ち足りて生涯を終えたのでした。
ただ主の恵みに圧倒されよう
人は、なぜかと問いますが、苦難の理由などわかりません。
私たちにとって何より重要なのは、行いや言葉ではなく、何があっても主を見上げ、主に向かい続けるその姿勢です。
主のみ顔を仰ぎ見る時、あなたと神の間には、サタンすら入り込む余地はありません。
苦難と孤独にあってヨブは、なお主を見上げ続け、主に向かって訴えることをやめませんでした。
不平不満があるなら、人にぶつけず、主に向かって叫べばいいのです。
神に喧嘩を売れば、人は必ず敗退します。
打ち砕かれた人こそ、誰より大きな恵みに預かることができるでしょう。
人はただ、信仰により、恵みによって救われます。
期待は裏切られ、願いは叶わないかもしれません。大切なのは、ただ主の御顔を見上げること。それこそ、信仰者の特権です。