聖徒伝71 士師記⑤ 9~10章 「暴虐と罪と裁き」 アビメレク 士師トラ ヤイル
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1.暴虐のアビメレク 9章1~21節
ギデオンの妾の子アビメレク。「父は王」という意味の名は、王のように振る舞っていたギデオンの罪の表れです。
士師の時代、神は、イスラエルが王を抱くことを認めていませんでした。
アビメレクは、故郷シェケムの親族の協力を得て、ギデオンの70人の息子達を殺し、自らが王となりました。
一人生き延びたギデオンの子ヨタムは、アビメレクとシェケムが互いに滅ぼし合うことを預言しています。
2.相殺される罪と悪 9章22~57節
アビメレクがイスラエルを支配したのはわずか3年間。地域もシェケムとその周辺に限られていたようです。
ヨタムの預言通り、アビメレクとシェケムは、互いに敵対するようになっていきました。
ある時、シェケムの訪問者ガアルが、住民を焚きつけ、アビメレクへを倒すと豪語しました。
町の長ゼブルの密告を受けたアビメレクは、翌朝にガアルを待ち伏せし、シェケムの町を出た直後のガアルの部隊に四方から襲いかかりました。
口先だけでないところを見せてみろと、ゼブルに焚きつけられ、戦いに臨んだガアルでしたが、大敗北を喫します。
ガアルは、シェケムに逃げ戻るもゼブルに拒まれ、引き返した末に、アビメレクによって殺されてしまいました。
アビメレクはなおシェケムを攻め、神殿の地下に逃げ込んだ住民を非情にも焼き殺してしまいます。
さらに、アビメレクは、シェケムと連合していたテベツに攻め入ると、やぐらに立て籠もった住民を焼き殺そうと火をもって近づきました。
この時、一人の女が投げつけた石臼が、アビメレクの頭蓋骨を砕きました。
残虐さと傲慢が、アビメレクの不名誉な最期を招いたのでした。
3.士師トラ ヤイル 10章1~5節
アビメレク亡き後、主が立てられたのがイッサカル族のトラ、そして、ヨルダン川東岸にいたマナセの半部族のヤイルでした。
二人の士師についての記述はわずかで、華々しい出来事も、特筆する出来事もありません。
特筆すべきことがないというのは、その時代が、本当に平和だったことを示しています。
神の憐れみが豊かに注がれ、二人の士師も、主に忠実にイスラエルをさばいたことが分かります。
4.平和の時にこそ試される信仰
繰り返されるイスラエルの背教は、平和の時代に始まっています。
危機の時にはむしろ、私たちの信仰は強められます。
重要なのに難しいのは、平穏な日々にあって、信仰を保っていくことに他なりません。
何があろうとなかろうと、なすべき使命を淡々と果たすことが求められます。
クリスチャンの変わらぬ使命は、福音を告げ、御言葉を慕い求めていくことです。継続こそ信仰の命です。
背教の時代の今、平和はつかの間かもしれません。与えられたこの時を、福音宣教の使命のために生かしていきたいと願います。
それぞれに与えられた聖霊の賜物を生かすべく、遣わされていきましょう。