聖徒伝73 士師⑦ 13~14章 サムソン・前編 主の恵みをむさぼるな
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1.サムソンの受胎告知 13章
強大なペリシテ人の脅威にさらされていたダン族。山地のツォルアにひっそり住んでいたマノアと妻に、主の御使いが現われ、男子の誕生を告げます。
主は、その子を生まれながら、神に誓願を立ててささげたナジル人として育てるように命じました。
主の御使いとは、受肉前の子なる神、主ご自身です。しかし、マノアも妻も、預言者の一人だと理解していました。
どう育てればよいか分からないと、主に求めたマノアに、主の使いは再び現われ、ナジル人として育てよと告げます。必要な情報は、すでに与えられていたのでした。
マノアは、主の使いをもてなし、その名をたたえようとします。人にすぎない預言者にしてはならないことです。
主の使いは、「不思議」という名を明かしました。これは神の名の一つです。
言われるまま、マノアが全焼のささげ物をすると、主の使いは、炎の中を上って行きました。神を見たと、ようやく悟ったマノアは、強く恐れました。
生まれた子は、太陽を意味するサムソンと名づけられ、神に誓願を立てたナジル人として育てられました。
2.サムソンの結婚 14章
成人したサムソンは、ペリシテ人の町ティムナの女を妻に望みました。
ギリシャにルーツを持つ海洋民族だったペリシテの女の、イスラエルとは違う容姿に惚れ込んでしまったのでしょう。
異邦人との結婚などあるまじきことですが、両親は折れてしまいました。
ティムナへの道中、出くわした獅子を素手で倒したサムソン。ナジル人には、死体に触れれば、きよめの儀式が必要ですが、それを隠しました。
婚約期間が過ぎ、婚宴に向かう途中、サムソンは、獅子の死骸にできた蜂の巣から蜜をとってなめています。律法破りを、彼は重ねていきました。
あろうことかこの出来事を、サムソンは、婚宴で客人への謎かけのネタにしています。
客人は、サムソンの妻を脅し、妻はサムソンを責め立てて答えを聴きだし、客人に伝えたのでした。
怒り心頭に達したサムソンは、ペリシテの港町アシュケロンから強奪した晴れ義を、謎解きの景品として、客人に与えたのでした。
3.無条件の恵みを注がれて
律法をないがしろにするサムソンに、義はありません。彼はただ、神の約束のゆえに一方的に用いられただけです。
サムソンに力を注ぎ、ペリシテ人をさばいたのは、主の霊でした。士師記の本当の主役は、聖霊だと分かります。
主は、あえて私たちの罪を放置され、的外れの願いをも叶えられることがあります。
痛い目にあわなきゃ分からないという罪深い状況が背後にあります。
私たちが主を知る道には、二つあります。主に従って知るか、過ちを通して知るか。どちらを選ぶか問われます。
与えられた恵みをむさぼるだけだったサムソン。しかし、信仰の成長には、恵みへの応答が求められます。
御言葉を慕い求め、福音宣教の使命に遣わされ、実りを得ていきましょう。