聖徒伝77 ルツ① 1~2章 あなたの神はわたしの神 ナオミの悲哀・ルツの決断
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1. モアブでの決意 1章
ルツ記の舞台は、士師の時代の最初、モアブがイスラエルを支配した頃ではないかと思われます。
“神は王”という名のエリメレクがモアブに移住したのは、苦渋の決断だったのでしょう。
モアブでまずエリメレクが死に、二人の息子も相次いで先立ちました。神の裁きと言えます。
約束の地を離れれば祝福を失うのは、律法の原則です。
残されたナオミは二人の嫁を残し、一人、帰郷を決意します。しかし、嫁のルツは、姑ナオミと死んでも離れないと、最後まで譲りませんでした。
「あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です」 これは、イスラエルの神へのモアブ人ルツの信仰告白です。
義母への愛も、ルツの信仰から生まれた者なのだと分かります。
帰った故郷で、ナオミ(歓喜)ではなくマラ(苦い)と呼んでくれと嘆いたナオミ。
しかし、主は苦い水を甘く変えられる方です(出15:23)。ナオミの信仰も、決して失われていませんでした。
2. ベツレヘムでの落ち穂拾い 2章
ちょうど大麦の収穫の頃でした。ルツは、落ち穂拾いに行かせて欲しいとナオミに申し出ます。
落ち穂拾いは、律法の生活保護規定です(レビ19:9他)。ルツは律法もよく教えられていました。
ルツが落ち穂拾いを始めた畑は、ナオミの親族ボアズの所有でした。
不信仰の士師時代にあって、ボアズの家では常に主の御名が讃えられていました。
ボアズは、働き者ルツを見逃さず、事情を聞いて感心すると、手厚い配慮を施しました。
系図によればボアズの母は、異邦人の信仰者エリコのラハブです。
イスラエルの神は、主を信じる異邦人にも庇護を与える方であるということを、ボアズは知っていました。
山地のベツレヘムに平原はありません。急な斜面の段々畑を上り下りする落ち穂拾いは、重労働だったでしょう。
大麦の刈り入れから小麦の刈り入れまで。つまり過越祭から五旬祭の頃まで、ルツは黙々と働き通しました。
ボアズは、律法が定める買い戻しの権利のある親族でした。このことがルツの運命を大きく開くことになります。
3. 主の約束に生きる者となろう
レビ記25:23~25の買い戻し規定に、イスラエルは神の土地に在住する寄留者だとあります。
ただ神の恵みの約束に活かされているのが、神の民です。
買い戻しとは、贖いです。究極の買い戻しこそ、主イエスの十字架の贖いに他なりません。
来たるべき神の王国が約束されたクリスチャンも、世にあっては寄留者だと覚えましょう。
落ち穂拾いに励んだルツのように、目の前に与えられた小さな使命に忠実に従い続ける者でありたいと願います。
ルツは、イスラエルの神を自分の主と信じて救われました。信仰者の人生は、ただ主に信頼して開かれます。
ルツもナオミもボアズも、律法を良く理解し、覚え、従っていました。
御言葉を慕い求め、喜んで学び、主を深く知っていきましょう。主が最適のタイミングで最善をなしてくださいます。