聖徒伝91 ダビデ編7 Ⅰサムエル記29~30章 ダビデの血族奪還の戦い 悔い改めの勝利を手に
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1.ペリシテ軍と上るダビデ 29章
イスラエルとの決戦前夜、上るペリシテ軍の本隊にダビデ軍がいました。
しかし、ペリシテの首長たちは、ダビデ軍の存在に疑義を唱え、ガテの王アキシュも折れます。ダビデ軍は戦いを目前にして返されたのでした。
アキシュをうまく欺いてきたはずのダビデですが、王の帰還命令に抗議する姿には危うさを感じます。
敵を利用しようとしても、飲まれるだけです。倒錯の罪の罠に陥りかけたダビデを、主が背後で守られました。
2.略奪の跡 奪還の戦い 30章
拠点の町ツィクラグは略奪され、家族は皆、連れ去られていました。
かつてサウルが聖絶しなかったアマレクが、ペリシテ軍に加勢したダビデの留守に襲った。なんとも皮肉な状況は、神のダビデへの懲らしめだったのでしょう。
兵たちは、ダビデの責任を問い、石で打ち殺そうとしました。
ここで、ダビデは主によって奮い立ちました。ペリシテに逃れて以降、はじめて主の御心を聴いたのです。悔い改めに、主は、「追いつける」と応えてくださいました。
600人の部下を率いて追撃に出たダビデ。しかし、南部のベソル川で200人が脱落します。疲弊しきっていたのです。
野で保護したエジプト人が、貴重な情報をもたらしました。彼はアマレクの略奪隊の奴隷だったのです。案内された先の荒野で、アマレクは大宴会を開いていました。
油断しきった敵に、ダビデ軍は大勝利を収め、家族を奪還したのでした。
ダビデは、脱落した200人にも分捕り者を等しく分け与え、さらには、逃亡中に世話になったユダの町々へも、送りつけました。すべては、神から与えられた恵みであるからです。
ダビデの逃亡生活は終わりました。
3.御言葉を握りしめ 人生の荒野へ
逃亡中の絶体絶命の危機の中で、ダビデの信仰は育まれました。多くの詩篇の名歌は、この時に歌われました。
ダビデは、ひたすら主に聴き従い、人々に温情を施し、厚い信頼を得ました。
逃亡生活の苦難が、ダビデの王政の下地となりました。生涯、ダビデを支え続けた部下の多くは、荒野時代から行動を共にしています。
ダビデが経験したように、信仰者の最大の戦いは常に内にあります。乗り越えるための道は一つ。ただ主に立ち返ること。これだけです。
信仰の成長とは、罪の自覚を深め、無駄をそぎ落としていくこと。私に根付いた罪の習慣は何か。問われます。
憐れみの主の懲らしめは、恵みだと知りましょう。ダビデは歌っています。「あなたのむちとあなたの杖、それが私の慰めです(詩篇23:4)」と。
自信がないのは誰もが同じ。危機に乗り出せば、主は必ず力を与え、本当の仲間も見つかります。とにかく歩み出しましょう。すべてはそこから、はじめてこそ、はじまるのです。
ますます強く御言葉を握りしめ、課題から目を背けず、信仰の道を歩み続けましょう。主が共におられます。