聖徒伝108 ソロモン篇2 列王記第一2章 ソロモンの試練 211114
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1. ダビデの遺言 2章1~12節
「強く、男らしくあれ」と告げたダビデは、何よりソロモンに、本来あるべき人、信仰者としての歩みを促していました。
王が従うべきは、神の変わらぬ契約です。
また、ダビデは、現実的対応として、ソロモンに、反逆者と忠臣への適切な取り扱いを求めています。
ダビデは40年を王として務め、生涯を終えました。
戦いに明け暮れ、苦難に満ちた生涯でしたが、礼拝者としての歩みを、主が守り、導かれました。
2. アドニヤの謀略 2章13~25節
あるとき、アドニヤがソロモンの母バテ・シェバを訪問します。
平和な要件で来たと安心させつつ、巧みに王の母を引き込むアドニヤ。
神の介入がなければ王位は自分のものだったと不遜極まりない詭弁を宣べます。
アドニヤがダビデの最後の側室を願ったのは、紛れもなく王への野心の表れでした。
しかし、確信的に断言する者に強く惹かれるのが人です。
アドニヤの野心が分からないはずのないバテ・シェバですが、それを受けてしまいます。
訪問した母にソロモンは最高の敬意を示し、王と同等の権威を指す右の座に座らせました。
この王の母としての権威がバテ・シェバの罠となったように感じます。
王座を求めるアドニヤの申し出を王に告げるバテ・シェバは、王をも自分の支配下に置こうとしているかのようです。
典型的な、母親の子に対する支配欲の現れではないでしょうか。
母の申し出を聞いたソロモンは瞬時に背景を悟り、アドニヤと共謀者たちの罪に怒りを燃え上がらせました。
神が立てた王への謀反は大罪です。アドニヤは討ち取られました。
3. 反逆者たちの末路 2章26~46節
共謀者の一人祭司エブヤタルは、都を追放されます。
神への罪ゆえ、エリの子孫の系譜が断たれるというサムエルへの預言が成就されました。
元将軍ヨアブは、祭壇の角をつかみ、命乞いしますが、二人の将軍を騙し討ちで殺した罪は拭われ得ません。
ヨアブは、新将軍ベナヤに討たれました。
かつて都落ちするダビデを呪ったシムイは、アドニヤの謀反にこそ加担しませんでしたが、ソロモンとの約束を破ったために、命を絶たれています。
反逆者たちの自滅により、ソロモンの王国は、礎を確立させました。
4. 厳正な神の裁き 救いの約束
弁舌巧みに王の母を籠絡したアドニヤ。
母の子への支配欲につけ込まれたバテ・シェバ。王に背き続けたヨアブ、エブヤタル。
真の悔い改めに至らず、己の罪を軽んじたシムイ。
ソロモンが目の当たりにした人の罪の現実です。
ソロモンは、神との約束を意識させた上で、それを破った責任を個々に負わせました。
悔い改めれば、何度でもゆるすべきである、それが今のキリストの律法の原則です。
しかし、悔い改めのない者には懲戒を下すべき段階があります。
偽りの教えには厳しく対処し、決してそれを認めてはなりません。
神の愛は、一方的な恵みである約束に基づく愛です。
神との約束を守る責任が、私たちを自立した信仰者として育んでいくのです。
悔い改めとゆるしを重ね、信仰を育まれていきましょう。