聖徒伝114 南北の王1 列王記第一12章 イスラエルの南北分裂
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1. イスラエルの背き 12章1~18節
レハブアムの即位に選ばれたシェケム。アブラハムが祭壇を築き、ヨシュアが律法の碑を築いた由緒ある地です。
この時、イスラエルは、レハブアムに、ソロモン時代、重い負担となっていた労働のくびきを軽くするよう訴えました。
しかし、レハブアムが、長老たちの助言を退け、彼らに告げたのは、ソロモン以上に重いくびきを課すという強権の行使でした。
イスラエルは、猛反発し、王の使者を打ち殺します。
レハブアムは命からがら逃れ、国は南北に分裂したのです。
2. ヤロブアムの即位 12章19~24節
イスラエルの十部族は、ヤロブアムを王に据えました。
一方のレハブアムは、戦力を整え、南北の再統一のために戦いを仕掛けようとします。
これを主がとどめました。
この時の主の呼びかけから、南王国には、ユダ族、ベニヤミン族の他、ユダの町々やエルサレムに住んでいた十部族も含まれていたことが分かります。
3. ヤロブアムの背教 12章25~33節
シェケムを都とし、国としての防御を固めたヤロブアム。
しかし、彼の拭いがたい不安は、イスラエルは結局、エルサレムに上り、レハブアムの側につくのではないかということでした。
そして、ヤロブアムは、金の子牛を南のベテル、北端のダンに設置すると、一般の民から祭司を選び、新しい祭りの日まで制定してしまったのです。
主は、ヤロブアムに、律法に従う限り、その王座を守ると約束されていました。
主を信頼できず、偶像礼拝に陥った罪は大変重いものです。
4. 真実を選び取っていこう
私がかつて属していた自由主義神学の教会は、まさに北王国だったと思います。
人間の理性という偶像の上に立っていたからです。
しかし、いざ福音派に中に身をおいて直面したのは、厳しい現実でした。
身近にカルト化した教会があり、なぜ、こんなことが、と驚愕しました。
いろいろな教会の現状に触れる中で、少なくない教会が教理的曖昧さや信仰的危うさを抱えていることが分かってきました。
自由主義神学に染まった北王国について言えば、根っこから間違っているわけですから、対応はシンプルです。
しかし、福音派の教会の場合には、真実と偽りが混ざり合っているだけに、問題はより複雑です。
その状況は、真偽が入り混ざった南王国に通じます。
真実を知る者ほど責任も増すのが信仰の原則です。北王国より南王国の方が責任は重いのです。
リベラルよりも福音派、ヘブル的視点に立つクリスチャンとなれば、さらに重い責任があります。
混沌とした南北時代ですが、そこから、なお教えられる神の約束の確かさがあります。
アブラハムへの約束もダビデ契約も生きているのです。
背教の末、約束の土地を追われ、回復されることは、モーセの時代にはすでに告げられていました。
この時代に続々と現れる預言者は、さらなる将来の希望を告げます。
メシアの登場、そして、永遠の神の国の建国です。
世の闇が深まる中で浮かび上がる、神の約束の不動の確かさがあります。
混沌の時代から私たちが捕らえるべきは、背後を貫く主の計画であり、ご自身の民をなお導き続ける神の御手です。
ますます混迷を深める世界で、何が起ころうと起こるまいとも、これまで以上に、ひたすら聖書にかじりついていきましょう。
日々、主に聴き、示されたことに取り組み、主への信頼を行動をもって現していきましょう。