聖徒伝15 アブラハム⑦ 神の御子の犠牲の上に イサクの奉献 創世記22章
【メッセージアウトラインPDF】15_アブラハム⑦_イサクの奉献_191117
1. 神の呼びかけ 22:1~3
イサク誕生から30年ぶりに、神に呼びかけられたアブラハム。
「ヒネイニ(ここにいます)」と即答した彼に、神は、イサクを全焼の犠牲として捧げるよう命じます。
アブラハム130歳、イサク30歳の時でした。
翌朝早く、アブラハムは、薪をロバに負わせると、二人の若者とイサクを連れて、神が告げたモリヤの山(後のエルサレムの神殿の丘)を目指しました。
2. イサクの奉献 22:4~10
100kmの道のりを3日かけて歩き、モリヤをはるか彼方に確認したアブラハムは、二人の若者に「私と子どもは戻ってくる」と告げ、イサクと先に進みます。
薪を背負って行くイサクは、犠牲の羊はどこにあるのかと尋ねますが、主が備えられるとしか、アブラハムは答えませんでした。
彼は薪を並べ、イサクを縛り祭壇の上に寝かせました。
屈強な若者イサクが、老いたアブラハムのなすがままに従ったのは、彼の信仰の表れでしょう。
アブラハムは、刀を振り上げました。
3. 神の介入 22:11~14
その時、主の使い(受肉前のキリスト)が、「アブラハム、アブラハム」と天から呼びかけられました。
慈愛に満ちた声に、「ヒネイニ」と即答したアブラハム。神の声に常に心を澄まし、即答する信仰が、その手を止めました。
この瞬間確認されたのは、真に神を恐れるアブラハムの信仰です。
彼が目を上げると、藪に角をとられた雄羊がいました。その羊がイサクの代わりに、全焼の犠牲として捧げられたのです。
「主の山には備えがある」 私たちの罪のために、主が用意された真実の贖いの子羊、それが主イエスです。
4. アブラハム契約の確認 21:22~34
ひとり子イサクを捧げた最高の信仰の行いにより、神がアブラハムと結んだ契約の真実性が確かめられました。
最終確認されたのは、アブラハム契約の中心である、メシアによる全人類の罪の贖い、そして全世界の回復です。
二人の若者は、約束通り帰還したアブラハムとイサクの証人となりました。
イサク奉献の出来事は、アブラハムの一族の信仰をも強めたことでしょう。
ベエル・シェバがアブラハムの終の棲家となりました。
5. 神の御子の犠牲の上に
ある人に、あなたの息子を神に捧げられるかと聞かれて絶句したことがありますが、これは間違った適用です。
聖書に、息子を捧げよと命じられたのは、アブラハムだけです。これは、信仰の父と呼ばれるアブラハムの生涯の信仰の最高潮の出来事でした。
唯一、真実にご自分の愛するひとり子を捧げられた方は、父なる神だけです。そして、ご自身を捧げ切られたのは、神の子イエス・キリストだけです。
前人未踏の信仰の領域へ到達したアブラハム。しかし、私たちには、キリストの花嫁として迎え入れられるという、アブラハム以上の恵みが約束されています。
計り知れない驚くべき恵みが、試練に打ち克つ力となるのです。