聖徒伝84 サムエル編⑥ サウルの背き・王権の剥奪 Ⅰサムエル13~15章
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1. 迫る危機とサウルの罪 13章
サウルを王となって2年。ペリシテの大軍が迫り、最大の危機を迎えます。
多くの兵は逃げ、サウルは神の加護を得ようとギルガルに下ります。
しかし、約束の7日目を迎え、サムエルを待ちきれなかったサウルは、全焼のささげ物を勝手に行いました。
直後に到着したサムエルは、この罪のゆえにサウル王の系譜が断たれ、一代限りになったことを告げます。
ろくな武器もないイスラエルに、いよいよペリシテ軍が迫ってきました。
2. サウル王と勇士ヨナタン 14章
サウルの息子ヨナタンは、側近の道具持ちを連れ、敵陣に向かいます。
侮蔑し、挑発するペリシテ兵に対して、ヨナタンは、切り立った崖をよじ登り、20人を討ち取りました。
狭い岩場の小さな戦いがしかし、ペリシテ全軍を恐怖に陥れました。
小さな者の小さな戦いを主が驚くほど大きく用いてくださる。ここに、伝道の霊的戦いの本質がよく表れています。
敵の混乱に気づいたサウルが点呼をするとヨナタンが不在でした。
敵陣に足を踏み入れると、ペリシテ軍の間で同士討ちが起こっていました。
寝返っていた同胞も、サウルの側につき、結果は大勝利でした。主がイスラエルを救われたのでした。
ここでサウルは兵に、追撃戦を終えるまで、何も食べるなと厳命しました。
知らずに蜜を口にしたヨナタンは、サウルに、死をもって償うよう告げられます。
王の命令は絶対です。死を覚悟したヨナタンでしたが、兵士たちの大反対により、命拾いしたのでした。
3. サウルの背きと王権の剥奪 15章
主は、かつて荒野でイスラエルを襲撃したアマレクを聖絶するようサウルに命じます。
厳粛な神の裁きの命令に、サウルは背き、最上の獲物を自分のものにしてしまいました。
主の言葉を受けたサムエルは、サウルに、王権が剥奪されたと告げました。
4. 主に聴き従う最高のささげ物
サウルは、主へのささげ物を惜しみ、兵に責任転嫁しました。
すべてを他者や何かのせいにすれば、悔い改めようがありません。それが、被害者意識の罠です。
神は、ご自身の裁きを悔いることのない正しい義なる方です。一方、罪人を憐れみ悔やむ、愛の方です。
剥奪された王権は戻りません。それでもなお、主は、サウルを憐れまれていました。
サムエルは、人が犯す過ちの本質を鋭く突いて言いました。「従わないことは占いの罪、高慢は偶像礼拝の悪」と。
主に従わない者は、主以外のものに従っています。高慢とは、自分の感情、感覚を第一とすること。究極の偶像礼拝は、自分を神とすることです。
主が最も喜ばれるささげ物は、私たちが主に聴き従うことです。
どんな命令であれ、私たちに、主に言い逆らう余地はありません。主に不可能はないからです。
「わたしにはできない。神にはできる」それが信仰です。
福音を告げ、聖書を解き明かす。この時代の明確な使命に従い歩むなら、主が必ず助けられます。