聖徒伝90 ダビデ篇6 Ⅰサムエル記27~28章 霊媒に頼んだサウルの大罪 「罪の極みに陥る前に」
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1. ペリシテに逃れるダビデ 27章
危機を乗り越えた後、信仰の真空地帯に落ち込んでしまう時があります。
サウルを恐れたダビデは、ペリシテのガテの王ラキシュの所に下りました。
ラキシュの信頼を得たダビデは、南部のツィクラグに拠点を移します。
ダビデは、ネゲブの異邦人の町を襲っては絶滅させ、イスラエルを討ったとラキシュには虚偽の報告をしていました。
ヨシュア時代のイスラエルが聖絶し損なった民を、ペリシテ傘下のダビデが討った。なんとも皮肉な形です。
何よりの問題は、偶像礼拝者の家臣であること。主の約束を信頼するなら、王となるまでダビデの命が奪われることはないはずなのです。
2. 霊媒頼みのサウル 28章
ペリシテはイスラエルとの戦いの準備を進め、ダビデも招集されました。
イズレエル平原を挟んで対峙するイスラエルとペリシテ軍の先陣部隊。
戦いに先立ち、主に伺ったサウルでしたが答えはありません。なんとサウルは、身の危険まで犯して霊媒を訪れ、サムエルを呼び出すよう依頼しました。
現れたサムエルを見て叫んだ霊媒。本物が現れたのです。
死者の霊は、神によってこの世とは完全に隔絶されています。本当に死者を現わすことができるとすれば、真の神しかいません。
サムエルが告げたのは、生前警告した通りのことでした。
アマレク人を聖絶しなかった罪のゆえ、サウルの王権は神からはく奪されました。サムエルは主の御名を七度も告げています。
「明日、あなたもあなたの息子たちも、私と一緒になるだろう」と、サムエルは、サウルが死に、よみにおける信者の世界で一緒になると告げたのです。
気力を失ったサウルに、霊媒は無理やり食事をさせました。これが、サウルの今生の最期の晩餐となったのです。
3. 霊媒と偶像礼拝の本質に学ぶ
聖書は一貫して、霊媒、口寄せ、占いを禁じています。
死者の霊とは悪霊のなりすましであり、霊媒は、悪魔との交わりに他なりません。歴史上、唯一の例外が、サムエルの件なのです。
サムエルが本物であった証拠に、その宣告は、完全に成就します。翌日、サウルは討たれて死ぬのです。
人が霊媒に惹かれるのは、そこに感動や慰めがあるからです。
しかし、そこに救いはありません。主の前に悔い改め、主を信頼する以外の救いの道は、どこにも存在しないのです。
霊的現象が人を惑わすのは、何らかの実態や感覚を伴うからです。それは、悪魔、悪霊の仕業です。
聖書に明記されたこと以外に心を奪われないようにしましょう。
私たちは、感情も感覚も、理性も観察力も、与えられた特性をフルに生かして、主を愛することを求められています。
愛することは、相手を正しく理解することから始まり、相手が真に求める行為によって実を結びます。
神の御言葉を正しく理解し、神の求める行いの実を結びましょう。
今告げるべきは救いの福音。解き明かすべきは御言葉の真理です。