十勝の鹿追町 聖書と人生のいろいろ

愛実の証し 再び拓かれた歌への道

2021/01/14
 
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2016年9月に、十勝鹿追町オープンした小さな教会です。,Voluntarily(自発的に),Open(開放的に),Logically(論理的に),聖書を学んでいます。史上類をみない大ベストセラー、聖書について、一緒に学んでみませんか? 執筆者は、牧師:三浦亮平です。

0.教会開拓のために

愛実(まなみ)の進学のためにと唯一とっていた我が家の貯金。「開拓のために使って」と、娘の愛実が伝えてきたのは、教会開拓を決意して間もない頃でした。

資金のあてもなく、思案していたところ、「わたしは大丈夫。必要なら与えられるから」と言う娘の一言に、私たちが背中を押されたのでした。

東京の音楽大学院への進学を希望して、そのための勉強を積み重ねてきた愛実。逡巡がなかったわけがありません。しかし、決意した後の愛実は、清々しささえ感じさせました。

 

1.超・遠距離通学

経済的な事情から、愛実はアパートを引き払い、鹿追の自宅から、車での通学生活が始まりました。大学のある岩見沢までは、峠を3つ越えて、3時間の道のりです。

毎月日本縦断をするようなペースで車の距離計が回り続けた半年間。通学の合間には、地元の道の駅でバイトに励み、本当によくやっていたと思います。

事情を知った大学の担当教授の計らいで、「音楽の道に進むのなら院だけは出ておきなさい。奨学金も紹介してあげるから」と、岩見沢教育大の院に挑戦する道が開けました。とはいえ、教育大と音大とでは、院試の内容も異なります。ほぼ一から学び直しでした。

 

2.本当に、「神ってる」とは、こういうこと!!

広島に、だいぶ以前に妻が購入して、久しく母が住んでいた古いマンションがあったのですが、そこも、母にお願いして、売却することになりました。

数年前に一度売却を検討した際には、たいした値もつかず、今回も、いくらかでも会堂建築の足しになればというくらいにしか考えていなかったのですが…。

時は、広島カープが25年ぶりの優勝へとひた走るただ中。近くに、熱気に包まれる広島新球場があり、再開発が進む広島駅のエリアにマンションがあったのが幸いしたのです。

ほどなく、予想だにしなかった高値で買い手が決まりました。「今時、こんなことありませんよ」と、不動産会社の方も驚いていたそうです。

そして何より、このことで愛実の進学資金が戻ってくる形になったのです。この年の流行語大賞は、広島カープに絡めた「神ってる」でしたが、本当に主が働いてくださいました。

 

3.再びのチャレンジ

「それなら、行けるでしょ!!」と信頼する恩師に背中を押されて、「もう一度東京の院に挑戦したい」と愛実が相談してきたのは、申込み〆切数日前。院試までも一ヶ月ほどしかありませんでした。

もう一度切り替えて、準備して、本当に間に合うのか? 愛実も寸前まで悩んだようですが、やっぱり、そこで学びたい、という思いが優っていました。

大学は、二学期が始まろうかという頃でしたが、おりしも、十勝を襲った2016年8月末の大水害で、通学路にしていた道路は寸断。車での通いは無理です。

居候を引き受けてくださったのが、愛実が中学から娘同然にお世話になっている声楽の先生でした。「とにかく、院試に全力を尽くしなさい」と環境を整えてくださって臨んだ試験。結果は、見事合格でした。

しかも、演奏家育成の特科コース。声楽では愛実一人だけの合格者でした。どれほど驚き、喜んだことでしょうか。

何より、神様は信仰で応答した者に報いてくださる方なのだと、愛実は身に染みて味わわされたことでしょう。

 

4.大きな試練

3月。愛実は、二週間も全く声が出ない、という、かつてないピンチに直面していました。2つの本番をキャンセルし、札幌のキタラの大ホールでの卒業演奏会が間近に迫っていました。

意気消沈している愛実が、ポツポツと話してくれました。

声が出なくなる直前のこと。神様に明け渡し切れていないことはなんだろうと考えていて、自分にとってのそれは、歌だと気づいた愛実。明け渡せるようにと祈ったというのです。

「…それなら仕方ないね」が、わたしが、愛実に告げたことでした。

「自分にとって、何より大切な歌すらも、神様にささげるというなら、それは、フルタイムの献身の決意と同じだよ。なら、歌うも、歌えないも、神様が決めることだから、歌えなくても、仕方ないね」と。

愛実が、神様にささげる人生を選んだというなら。もう、愛実は、娘であって、娘でない。何より、献身者なのだと、私たち家族も覚悟しなければならない。そう思わされました。

 

5.用いられるのは、神様だから

そうして、臨んだ本番。 歌えました。歌いました。

愛実も吹っ切れたのでしょう。新しい道を確かに歩み始めた賛美者の姿が、そこにはありました。これまでにない極度の緊張の中で、歌という賜物を、確かに神様に明け渡せた時だったのだと思います。

演奏会後、たくさんの友人、知人に、そして何より大切な信仰の友に囲まれていた愛実。祈り、支えあい、共に成長しあっていける仲間たちとの出会いこそ、四年間の一番の恵みだったのだと感じました。

支え、応援し、時には叱咤激励してくれる方との出会いで、東京でのコンサートも早速決まりました。神様の愛実に対するこれからのご計画に、期待しています。

 

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2016年9月に、十勝鹿追町オープンした小さな教会です。,Voluntarily(自発的に),Open(開放的に),Logically(論理的に),聖書を学んでいます。史上類をみない大ベストセラー、聖書について、一緒に学んでみませんか? 執筆者は、牧師:三浦亮平です。

Comment

  1. 関根辰雄 より:

     長男は牧師一夫(68歳)次男は音楽家・3男は弘興・ライフラインというキリスト教番組の司会を長年してます。北海道にもよくラリー等で奉仕してます。イエス様の祝福がご一家の上にありますように。

    • sikaoichurch より:

      関根先生、コメントありがとうございます!!
      71歳から開拓をされているとのこと、励まされます。

      関根弘興先生とは、ライフラインの世の光ラリーでお会いしたことがあります。ご家族で、尊いご奉仕をされていらっしゃるのですね。

      お孫さんがダウン症とのこと。それも不思議なつながりですね。私は、息子から、障害もまた、神様が用いられる賜物だと感じさせられています。

      先生の上に、ご家族、お孫さんの上に、主の祝福がますます豊かにありますように。感謝して。

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