⑲目撃者ペテロ メシアの埋葬と復活 和解の食卓
1. イエスの埋葬
恩赦を願い、イエスの遺体を引き取ったのがアリマタヤのヨセフでした。この時、律法の教師ニコデモも、イエスの弟子であることを証しし、埋葬を手伝っています。
ユダヤ社会に排除されることも辞さず、信仰を光の下に明らかにしたのでした。
総督ピラトは、ユダヤ人指導者たちの申し出を受け、墓に厳重な監視を置きます。
イエスが復活すると言っていたのを思い出し、弟子たちに遺体を盗まれることを警戒したのでした。
弟子たちが逃げ出した一方、復活の約束を敵対者が覚えていたとは、なんとも皮肉です。
2. 初穂の祭の朝に
三日目の安息日の朝、大きな地震が起こり、墓が開き、天使が現れました。
早朝にやってきた女たちは、空の墓を見て、使徒たちに報告します。駆けつけたペテロ、ヨハネも事実を確認しました。
3. 弟子たちに現れる
密室にこもっていた使徒たちに、突如、復活のイエスが現れます。驚く弟子たちに、イエスは傷跡を示し、魚を食べて見せました。
場に居合わせなかったトマスのために、8日後、再び現れたイエス。疑っていたトマスは、「わたしの主、わたしの神」と叫び、イエスに対する信仰を告白しました。
4. ガリラヤ湖畔にて、
イエスの命令に従い、ガリラヤに戻った弟子たち。しかし、待ちきれなくなったペテロは、他の弟子たちを誘い、もとの生活に戻ろうと漁に出ます。
一匹の成果もないまま朝を迎えたとき、イエスが現れたのでした。気づかない弟子たちに、セオリーとは真逆の船の右側に網を降ろすよう命じるイエス。すると153匹の魚がとれたのでした。
常識ではあり得ない事態を目の前に、最初にヨハネがイエスに気づき、ペテロは湖に飛び込んで駆けつけました。
ペテロと弟子たちは、すでにイエスが用意していた和解の食卓にあずかります。
イエスはペトロに3回、愛しているかと尋ねます。
ペテロに、わたしだけは裏切りませんと言った以前の傲慢さはなく、イエスは、「わたしの羊を飼いなさい」と、リーダーの使命を与えたのでした。
5. まとめ
伝承では、ペテロは逆さ十字にかかって殉教したと言われます。
イエスを三度も否認し、呪いさえしたペテロは、罪を嘆き、悔い改めました。
ペテロの罪も十字架で赦され、復活のイエスはペテロにも現れました。
なお心に傷を抱えていたペテロを、イエスのほうから和解の食卓に招かれました。イエスの三度の愛の確認は、ペテロに主の愛を確信させました。
すべての信者は、主イエスの和解の食卓に招かれています。その食卓は、主の愛を味わい知るためのものです。
主のみ前に出ることに、何も恐れる必要はないと、ペテロの姿に教えられます。
私たちの信仰が時に後退してしまうのは、恵みを味わっていないからです。
まずは、恵みを味わうこと。主の愛をしっかりと味わったなら、自ずと使命に押し出されていきます。
御言葉を通して、また周りの人々や状況を通して、神の恵みは十二分に与えられているのです。