⑰使徒ペテロ 信仰告白 メシアの変貌
1. ペテロのイエスとの出会い
洗礼者ヨハネの弟子だったペテロは、待ち焦がれたメシアに会い、弟子となります。
そして、ガリラヤ湖畔でイエスにスカウトされ、フルタイムの弟子となりました。
後に12使徒のリーダーとなったペテロ。イエスの呼びかけを受けて、湖の上を歩んだように、誰よりも主に従順で素直でした。
2. ベルゼブル論争
先天的な障害や重い皮膚病を癒したり、メシアの証拠となる奇跡をことごとく行ったイエス。
しかし、観察、審問を経て、ユダヤ議会は、イエスは悪霊の頭の力で奇跡を行っている、イエスはメシアではない、と結論を下しました。
この時、彼らは回帰不能点を超えたのです。
目の前のメシアを拒むという、聖霊を冒涜する罪により、この時代のイスラエルは裁かれ、40年後のエルサレム陥落(起源70年)をまねくこととなりました。
3. たとえ話
ベルゼブル論争以降、イエスは公には、たとえ話だけを語られました。
イエスを信じる者たちだけが、たとえ話の正しい解釈を教えられたのです。
イスラエルのメシア拒否により、楽園の回復である千年王国は、はるかな未来に先延ばしになり、ここに教会時代が現れたのです。イエスの昇天後、ペンテコステの聖霊降臨によって、教会時代が本格的に始まりました。
たとえ話は、教会時代の教会(神の国)についての警告です。
教会は大きく成長するが、偽りの教えも教会に入り込み、真偽が入り交じる状態が終末まで続くのです。
4. ペテロの信仰告白
偶像礼拝と皇帝崇拝の町ピリポ・カイザリア。ヘルモン山からの伏流水が、岩盤から湧き出すこの地で、イエスは、「わたしを誰だというか」と質問します。弟子を代表したペテロの答えは、「生ける神の子キリスト」でした。
メシアを信じる信仰告白の岩盤の上に建てられたのが、信者の群れ・教会です。
使徒のリーダーであるペテロ(小さな岩)に渡された鍵は、後にペトロによってユダヤ人、サマリア人、異邦人に宣教の扉が開かれることを現していました。
5. イエスの変貌
ヘルモン山で、イエスは、真の姿である、光り輝く栄光の姿に変わられ、モーセ、エリヤを付き従えられました。
この光景を目撃したペテロは、仮小屋を建て、メシア来臨を示す仮庵祭を再現しようとして、イエスに拒まれています。
なぜなら、メシアは、栄光の王となる前に、十字架の受難を通過しなければならないからです。
晩年、信仰的に成熟したペテロは、こう告げています。
「主のもとに来なさい。主は、人には捨てられたが、神の目には、選ばれた、尊い、生ける石です。あなたがたも生ける石として、霊の家に築き上げられなさい。そして、聖なる祭司として、イエス・キリストを通して、神に喜ばれる霊のいけにえをささげなさい。」
Ⅰペテロ2:4~5
福音を信じたすべての人は、ペテロと同様、主イエスの救いの岩の上に立たされています。主によって、生きた石として用いられるよう祈りましょう。