十勝の鹿追町 聖書と人生のいろいろ

ノートルダム大聖堂大火災に思うこと 一人のクリスチャンの世界観から

2019/04/25
 
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2016年9月に、十勝鹿追町オープンした小さな教会です。,Voluntarily(自発的に),Open(開放的に),Logically(論理的に),聖書を学んでいます。史上類をみない大ベストセラー、聖書について、一緒に学んでみませんか? 執筆者は、牧師:三浦亮平です。

1. 焼け落ちる大聖堂

焼け落ちるノートルダム大聖堂の尖塔。

衝撃的な映像に唖然としながら、その光景が、欧州のキリスト教界を象徴しているように思えてなりませんでした。

欧州各国で、歴史ある教会堂の閉鎖が相次いでいます。

信徒は極端に高齢化し、信仰の継承も先細りです。

イギリスで、毎日曜日に礼拝に出席している人は人口の1%未満だとも聞きました。

欧州が、キリスト教世界の中心だったのも、今は昔です。

2. 欧州の教会の衰退の始まり

大きな転換点は、19世紀でした。

1859年に出版されたダーウィンの「種の起源」は、時代のニーズに応え、瞬く間に欧州各国で絶大な支持を得ました。

なぜなら、進化論は、神なしで世界を説明することを可能にしたからです。

 

適者適存は、弱肉強食に変換されて理解されました。

資本家は搾取を正当化し、民族主義者は優生思想を説き、共産主義者は人間社会の進化の帰結としての共産国家の成立を唱えました。

国教会は政治的力を失い、キリスト教界の社会的影響力も低下しました。

信仰が、国教会から個人へと回帰したのは利点でしたが、ヨーロッパ社会にとって、より深刻だったのは、キリスト教に基づく倫理観の崩壊です。

 

悪名高い奴隷貿易は、国教会がお墨付きを与えたものでしたが、一方で、19世紀初頭に奴隷貿易の終焉をもたらしたのもまた、クリスチャンでした。

その多くは、個人的信仰による福音主義に立つ人々でした。

しかし、キリスト教界が政治的影響力を失墜した後、人間中心主義(ヒューマニズム)が台頭。欧州各国は、産業革命を背景に、圧倒的な軍事力による、直接的な植民地支配に乗り出しました。

神の権威という押さえを失った人間の欲望は、際限なく膨らんでいったのです。

3. 倫理的退廃の末の世界大戦

倫理的退廃の末に引き起こされたのが、二度にわたる世界大戦だったのだと、わたしは理解しています。

ヒトラーは、その総仕上げをしたにすぎません。

ナチス・ドイツは、国民の圧倒的支持を得て民主的に成立した政府でした。

ホロコーストの前実験のように、ナチスは、障害者、重病人の組織的虐殺を行いましたが、多くの医療関係者の積極的関与が明らかにされています。

 

進化論が優生思想を生み出し、大虐殺を引き起こしました。

どう言葉を言い換えても、進化論が持つ残酷な本質を覆い隠すことはできません。

相模原での障害者の大量殺人も、進化論がその底流にあります。

搬送される車内で見せた容疑者の不適な笑みは、自分はこの社会の価値観に沿って行動したのだ、という確信に支えられたものではないでしょうか。

4. 信仰なき民主主義の結末

戦争の世紀と呼ばれた20世紀。かつてない規模の大量虐殺が各地で引き起こされました。

独裁と全体主義を生み出したのは、民主主義であり、民衆革命でした。

レーニンや、毛沢東が率いる共産党は、ナチス以上の大量殺戮を自国民に対して行いました。厳しい歴史の現実です。

聖書が突きつける罪の本質は、人間の自己中心という性質にあります。

人間中心主義、ヒューマニズムとは、聖書的に言えば、罪そのものなのです。

5. 増長し続ける欲望の時代に

欲望の拡大と命の軽視。両者は、21世紀にも増長し続けています。

日本でも急速に普及しつつある出生前診断。染色異常が判定された胎児の98%が、堕胎により命を失っています。

ダウン症児は、生まれてくることすらできなくなりつつあるのです。

現に出生前検診が義務化されたアイスランドの堕胎率は、100%に達しています。

かつてのナチス・ドイツ以上の殺戮が、目に見えないところで、着々と進行しています。

それが、今の時代の残酷な現実です。

これから世界はどこに向かっていくのでしょうか。

聖書は、人々の愛が冷え、憎み合う時代の到来を予告しています。

6. 聖書にある、希望の源泉

希望は、聖書に記された神の約束にこそあると、わたしは確信しています。

医学の進歩によって明らかにされたことの一つは、人類の体がどれほど精緻に完全にできあがっているかということです。

現実に観察される世界には、偶然の入る余地などありません。

MRIを発明したレイモンド・ダマディアン博士のように、現代においても、聖書を信じる科学者は数多くいます。

科学の進展は、聖書に基づく世界の解釈の後押しともなっているのです。

創造論は、世界の成り立ちに対し、説得力ある解説を提供できるほどに成長しました。

私自身も、かつては無条件に進化論を信じていましたが、創造論に立つ地質学者による地層や化石の生成の説明に衝撃を受け、聖書をそのまま信じる信仰へと導かれた者です。

※「創世記の洪水コンサート」 イ・ジェマン Duranno Japan

7. 背教と混沌のただ中にあっても、前進し続ける神の計画

人類の夢想が、歴史的現実の前に終焉を告げる中、人の罪と、そこからの唯一の解決の道を説く聖書にこそ、真理があると、立ち返る人々がいます。

ナザレのイエスこそ、自分たちのメシアと信じるユダヤ人が急増しています。

キリスト教への激しい迫害が続く、中国やイランで、それでも、家の教会が拡大し続けています。

聖書は、そのまま字義通りに、真の著者である神の意図通りに読めばいいのだと悔い改めて、シンプルに一つの信仰に立つ人々が、世界中で起こされているのです。

世界の状況が悪化の一途をたどり、制度的教会すらも混沌とする中、それでも神の計画は、着実に前進し続けているのです。ここに希望があります。

また、そのときは、人々が大ぜいつまずき、互いに裏切り、憎み合います。
また、にせ預言者が多く起こって、多くの人々を惑わします。
不法がはびこるので、多くの人たちの愛は冷たくなります。
しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われます。
この御国の福音は全世界に宣べ伝えられて、すべての国民にあかしされ、それから、終わりの日が来ます。
マタイ福音書24:10~14

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