聖徒伝18 ヤコブ① 聖徒伝⑱ 主に委ねて歩む道へ 創世記26,27章
【メッセージアウトラインPDF】18_ヤコブ_誕生から旅立ちまで_200112
1. エサウとヤコブの誕生
イサクは40歳で結婚、60歳にしてリベカは双子を身ごもりました。
胎内にいるときから争い、生まれてきたエサウとヤコブ。
「かかとをつかむ」という意味の通り、ヤコブの人生は格闘から始まりました。
一方のエサウは、毛深いという意味の名です。
2. 長子権をめぐる二人の態度
自立心旺盛の狩人で、神をも恐れぬエサウと、穏健で神の目に正しい人ヤコブ。
二人の双子は、正反対の性質でした。
ある時、空腹で猟から帰ったエサウは、ヤコブの煮ていた豆スープを見て、「その赤いのを食わせろ」と詰め寄ります。
「長子権と引き換えなら」というヤコブの要求を、エサウはあっさり飲みました。
大切な長子権を軽蔑したエサウの俗悪さが、ここので最大の問題です。
皮肉にも、エサウの子孫は、エドム(赤い)と呼ばれるようになりました。その子孫が、あの悪名高いヘロデ大王です。
3. 長子権の相続
年老いたイサクは、長子権をエサウに譲ろうとします。
彼のとってくる鹿肉が好物だったのです。イサクの弱みは、美食に目がないこと、食欲にありました。
これを知ったリベカは、一計を案じ、エサウが猟にでた隙に、夫の好きな山羊料理を作り、ヤコブに子山羊の皮をまとわせ、エサウになりすまさせました。
視力の衰えていたイサクは、まんまと欺され、ヤコブに長子権の祝福を与えたのでした。
神と離れていては、霊的洞察力は、働きようがありません。
リベカの罪は、神に委ねきれず、夫を欺いたことでした。ヤコブの罪も同様です。
ヤコブは、イサクの前で、神を偽る罪さえ犯してしまいました。
興味深いことに、イサクの祝福には、アブラハム契約の条項が含まれていません。
長子権ならまだしも、イサクは、エサウ(と思い込んでいたヤコブ)がアブラハム契約の継承者とは宣言しかねたのでしょうか?
4. ヤコブの旅立ち
激怒したエサウの殺意に、リベカは、嫁探しを口実に、自分の生まれ故郷へ、ヤコブを逃れされることを決意します。イサクも同意し、彼を祝福しました。
ここで初めて、アブラハム契約の、①子孫の約束、②土地の約束、③祝福の約束の三つの条項が宣言されています。
一人旅だったヤコブ。リベカは、これが、息子との今生の別れとなりました。
「わたしが呪いを引き受けます」と言った、その罪の刈り取りを身に受けたのでした。
5. ヤコブの過ちから学ぼう
邪悪なのは、エサウですが、この権の最も重い責任は、アブラハム契約の継承者であるイサクにあります。
一方のヤコブの罪は、主を信頼しきれず、自力に頼り、イサクを欺し、神を偽ったことでした。
私たちに求められるのは、神のご計画を正しく知ること。そして、神のご計画を信頼し、従い歩むことです。
委ねるべきは主に委ね、神の時を待ちましょう。
委ねるべきことと、自分でなすべきこと。神の御意思と自分の欲望、その二つを御言葉によって切り分けていきましょう。
主が道を拓かれます。