聖徒伝25 ヨセフ③ 創世記42~45章 罪の赦しと主にある和解 兄たちへの試練と悔い改め
【メッセージアウトラインPDF】25_ヨセフ3_兄たちの悔い改めと和解_200301
1. エジプトに下る兄たち 創42章
大飢饉も2年目。ヨセフの兄たちが、食糧を買いにエジプトにくだってきました。
ヨセフは、その日が来ることを予測し、待っていたのだと思います。
ヨセフは正体を隠したまま、兄たちと面会すると、彼らにスパイの容疑をかけ、捕らえます。
かつて弟ヨセフを売った報いだという兄たちの嘆きを聞き、ヨセフは密かに涙しました。
あれから兄たちは変わったのか。罪をゆるすためには、悔い改めがなければなりません。
ヨセフは、心を鬼にして兄たちを試したのでした。
次兄シメオンを人質に残し、末弟ベニヤミンを連れてくることを条件に、兄たちは、故郷へと一時、帰還しました。
2. 再びのエジプト 創43章
息子たちから状況を聞きながらも、愛息ベニヤミンを手放したくないヤコブは沈黙したままでした。
そのうち買ってきた穀物も食べ尽くしてしまいます。
ここで動いたのが、あの時ヨセフを売り払うよう提案した四男ユダでした。
自らがベニヤミンの保証人になると告げ、命がけで訴えたユダに、ヤコブの心も動きました。
「失うときには失うのだ」と、ヤコブもまた覚悟を決めたのでした。
エジプトに戻ってきた兄たちを、ヨセフは歓待し食事に招きました。
弟ベニヤミンとの22年ぶりの再会に、ヨセフは人知れず涙を流しました。
ベニヤミンの前に5倍の量の食事を並べたのは、かつて嫉妬にかられてヨセフを売った兄たちの心を測るためでした。
3. ユダのとりなし 創44章
たくさんの食糧も手にして意気揚々と出立した兄たちを、ヨセフの側近が追ってきました。
彼は、主人の大切な銀杯が盗まれたと告げ、兄たちに容疑をかけます。
「銀杯が見つかれば、その者を殺していい。自分たちも奴隷になる」と断言した兄たち。
しかし、銀杯は、ベニヤミンの袋の中から出てきたのでした。ヨセフの差し金でした。
ヨセフは、兄たちの前で、盗みを犯したベニヤミンだけが奴隷になればいいと告げました。
ヨセフを売ったときのように、今度は弟ベニヤミンを犠牲にするのかどうか。兄たちを試したのです。
この時立ち上がったのがユダでした。
ユダは、エジプトの権威である宰相の面前で、命がけのとりなしを始めたのです。
言い訳は一切せず、ユダは、父ヤコブを思って、宰相の憐れみに訴えました。ベニヤミンを失ったら、父は悲しみで死んでしまうと。
そして、自分が犠牲になるので、ベニヤミンを解放してくださいと、ヨセフに申し出たのです。
4. 和解 創45章
自分を制することができなくなったヨセフは、ついに身を証しました。
兄たちを赦し、すべては神の計画だったのだと告げたのです。
ヨセフとベニヤミン、兄たちは、互いに抱き合い、泣きました。
山ほどの贈り物を持って帰宅し、父に驚きの事実を告げた兄たち。一瞬気が遠くなるほどに驚いた父ヤコブでしたが、エジプトに行くと決意しました。
5. 罪の赦しと主にある和解への道
苦難の義人ヨブのような苦悩を、ヨセフも味わわされたでしょう。
物語のもう一人の主役が、ユダです。弟を売り、罪の極みに堕し、悔い改めて立ち返ったユダに、自らの命をも厭わない義を神が帯びさせられました。
無実のヨセフが獄中から首相に引き上げられたように、罪なきキリストは、私の罪のために十字架につけられ、死んで葬られ、復活されました。
主イエスが、私たち一人一人を試しておられます。
人生の試練、世の不条理のただ中で、自らの罪に気づき、主の前に立ち返ることができるかを。