聖徒伝29 モーセ③ 災いを過ぎ越す道 主の過越・十番目の災い 出エジプト記11~13章
【メッセージアウトラインPDF】29_モーセ3_十番目の災い・過越_200405
1. 最後の災いの予告 出11章
最後の災いで、エジプト中の初子が打たれると警告されました。
しかし、イスラエルは、妨げなく、400年の労働の対価までも手にして、エジプトを出ることになるのです。
パロは、警告を最後まで拒み、交渉は決定的に決裂しました。
イスラエルは神の恵みにより、エジプトは神の裁きにより、神を知ることとなります。
2. 過越祭 十の災い 出12章
主は、最後の災いを過ぎ越すため、傷のない雄羊を屠り、血を門柱とかもいに塗るよう命じます。
肉は焼いて、その日の内に立ったまま食べました。
この出来事を記念した過越祭は、約束の地に入った後、子孫たちも守り続けていくよう求められました。
過越祭後の七日間の種入れぬパンの祭り(除酵祭)には、パン種が、各家庭から取り除かれました。
イスラエルが、パンを発酵させる間もなく、エジプトを出たことを思い起こさせるものです。
ついに十番目の災いが下り、エジプト中に悲痛な叫びが起こりました。
パロの初子も死にました。
パロはついに、イスラエルに出て行くよう命じます。最後まで、その心はかたくななままでした。
主の予告通り、畏れを抱いたエジプトの民から多くの金銀を得て、イスラエルは旅立ちました。
成人男子60万人とありますから、総勢200万人以上になったことでしょう。
430年間、エジプトに滞在したイスラエルにとって、この瞬間こそ、神が定めた解放の時でした。
どさくさに紛れて出てきた外国人が多くいたことから、改めて、過越の食事は、あくまでイスラエルのものであると告げられています。
外国人では、家族同様にみなされた奴隷と、改宗者だけが、イスラエルに加えられ、過越の食事の恵みにあずかることをゆるされたのでした。
3. 初子の贖い 出エジプト 出13章
エジプトを出たイスラエルに、主は繰り返し過越について教えられ、常に覚えているよう命じられました。
そして主は、約束の地において、イスラエルの民と家畜のすべての初子を献げるよう告げます。
主は、エジプトの初子を打ってイスラエルを救われました。すべての初子は、主のものなので、主に返すのです。
動物の初子は屠り、人の初子は、献金によって神から買い取りました。
モーセは、ヨセフのミイラを携えてきました。私の遺体を携え上れ、という400年前のヨセフの遺言を、イスラエルの民は記憶していたのです。
神の時は必ず来ます。
神の栄光が、昼は雲の柱、夜は火の柱となって、イスラエルを導きました。
4. メシアの影である過越
主が命じた過越は、その出来事そのものが、来たるべきメシア、イエス・キリストを示す影となっています。
傷のない犠牲の雄羊は、十字架のキリストを示し、災いを免れた血は、罪を贖うキリストの血潮を現します。
種なしパンは、罪なきキリストの体です。
エジプトにおける過越で、雄羊の血が、最後の災いを過ぎ越しました。
一方、キリストの犠牲は、神の怒りを過越します。
私は、キリストの血によって罪を贖われ、神のものとされた。これを信じることが、救いです。
わたしは神のものではないと、主を拒む者は、ついには主に拒まれます。
パロのようにかたくなにされる前に、主イエスを信じて救われることを、すべて人は、主の前に求められています。