聖徒伝67 士師①1~2章 「約束を忘れた約束の民」
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1. 継続された戦い 1章
指導者ヨシュア亡きあと、最初に戦いに押し出されたのがユダ族でした。
ユダ族は、近しいシメオン族と共にベゼクを攻め落とし、王を捕らえます。
両手両足の指を切り落とされたベゼク王は、これは神の報いだと語っています。
エルサレムで生涯を終えたベゼク王は、深い悔い改めに導かれたのかもしれません。
エルサレムは、ユダ族が攻め取り、ベニヤミン族が治めました。
しかし、間もなくエブス人が奪還し、最終的な占領は、ダビデ王の時を待つことになります。
10~15節には、ヨシュア記15章の南部の戦いが再録されています。
デビルを攻め取ったオテニエルは、勇士カレブの娘アクサを妻とし、畑と泉を与えられました。
勇敢で謙遜な夫オテニエルと賢妻アクサ。民に愛され、よく知られた夫婦であったのでしょう。
南部の戦いでアナク人は追い出され、カレブに至っては、相続地を完全に手にしました。
一方、平地のペリシテ人には苦戦を強いられ、多くの町々が残されたままでした。
ヨセフ族も、ベテルを攻め取るなど、まずまずの戦火を収めました。
それ以外の部族には多くの未占領地が残り、彼らの信仰の状態がよく表されています。
2. 主の宣告 2章
受肉前の子なる神、主の使いが、民の前に現れました。ヨシュアがエリコを攻め取った時以来のことでした。
主は、イスラエルの民が聞き従わなかったために、もはや残った敵を追い払わないと告げました。
モーセ、ヨシュアを通して何度も警告された通りの懲らしめが、ついにイスラエルに下されたのです。
イスラエルは、悪を行い、カナンの偶像を崇めました。神の怒りが燃え上がり、民は敵の略奪にさらされました。
民が悔い改めると主は、さばきつかさ・士師を送り、民を救い出しました。
士師は、イスラエルの一部族のリーダーであり、裁判官、行政官、指揮官、民の解放者、救済者でもありました。
主は、ご自分の民を懲らしめても、見捨てず、憐れみを注がれ続けたのです。
3. 懲らしめの中に注がれる憐れみ
民が神に背き、敵に侵略され、悔い改めると士師が遣わされ、つかの間平和が保たれる。
士師記では、このことが何度も繰り返されながら、イスラエルの民の信仰の状態は、どんどん悪化していきます。
また、登場する士師の質も劣化していくのです。
現代は士師の時代と重なります。
19世紀以降、聖書の権威は否定され、人間中心主義が世界を席巻してきました。
欲望を満たすことが権利とされ、多様性のかけ声の下、結局は、力ある者が思いのままに他者を支配する、それがこの時代の現実です。
イスラエルの最大の問題は、常に内側にありました。
クリスチャンの足下をすくうのは、常に信仰の問題です。
常に求められるのは、主の約束に固く立ち続けることにほかなりません。
主イエスは、十字架と救いの御業を成し遂げられました。
天に昇られ、大祭司を努めておられる主は、厳正な裁き主として間もなく戻ってこられます。
すべての真の信仰者を御許に挙げられ、世界に裁きを下されるのです。
すべてのクリスチャンは主に立てられた現代の士師です。悔い改めを迫り、福音を信じて救われるよう、人々に告げていきましょう。