聖徒伝93 ダビデ篇9 サムエル記Ⅱ・2~3章 「神の義にしがみつけ」 アブネルの死
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1.ユダの王となるダビデ 2:1~11章
由緒ある町ヘブロンに上り、ユダ族の王となったダビデ。
即位後にまず行ったのは、サウル王の遺体を手厚く葬ったヤベシュ・ギルアデの人々を祝福することでした。
一方、サウル軍の長だったアブネルは、サウルの子イシュ・ボシェテをヨルダン川東岸のマハナイムで王に担ぎ上げました。この後7年半、イスラエルとユダの対立が続きました。
2. イスラエルとの戦い 2章12~32節
ギブオンの池のほとりで、イスラエルとユダの両軍がにらみ合い、双方12人の代表による闘技を行います。
結果はすべて相討ち。これをきっかけにして、ついに両軍の戦いが勃発しました。
ユダの将ヨアブの兄弟アサエルは、自慢の快足でアブネルを追いました。
兵士としての力量で上回っていたアブネルは、お前を殺したくないと引き返すように促しますが、アサエルは聞き入れません。
アブネルは、致命傷を避けようと槍の石突きでアサエルを討ちます。
足の速さが災いしたのか、槍はアサエルを突き抜け、命を奪いました。
復讐心に燃える兄弟ヨアブとアビシャイは、執拗にアブネルを追い続けます。
援軍が加わり体勢を立て直したアブネルは、停戦を呼びかけ、ヨアブも同意したのでした。
3. 将軍アブネルの死 3章1~39節
サウルの側女と寝たことをイシュ・ボシェテに咎められたアブネルは激怒し、王権をダビデに移すと告げました。
ダビデは、和解の条件に、妻だったサウルの娘ミカルを連れてくることを挙げます。
応じたアブネルはさらに、イスラエルの長老たちを説得してまわりました。
この後、ヘブロンで、ダビデとアブネルは契約を結んだのでした。
収まらないのはヨアブです。彼は、アブネルを呼び戻すと、町の門で殺しました。
アサエルの復讐を果たしたヘブロンの町は、過失致死を犯した者を匿う地です。律法に反する悪行でした。
ダビデは、ヨアブを呪い、アブネルに最大限の敬意を表して葬りました。
4. 課題に今、取り組もう
アブネルは、ダビデも認める優れた武人であり、政治力もあり、イスラエルの最初の王にふさわしい人物でした。
アブネルの責任を問うなら、ダビデが神に油注がれた王と知りながら、対立してきたことこそ最大の罪です。
アブネルが、最初からダビデを真の王として従っていれば、アサエルを殺してしまうことも、復讐でヨアブに殺されることもありませんでした。
主の命令を知りながら従わない、その責任は重いものです。聖書を学ぶほどに、応答の責任は増していきます。
分かっていながら先延ばしにしている課題がないでしょうか。棚上げした問題こそ、信仰の停滞の原因です。
いつまでも、主の忍耐が続くと思ってはなりません。かつてなく、主の日、その時は、間近に迫っています。
気づかされた、その瞬間こそが、取り組むべき時だと知りましょう。