聖徒伝107 ソロモン篇1 列王記第一 1章 ソロモン王の即位
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1. 晩年のダビデ 1章1~27節
老いた体を暖めるため、あてがわれた美女アビシャグに手を出さなかったダビデ。
誰の目にも衰えは明らかでした。
隙を突いて王への野心を露わにしたのが4男アドニヤでした。
優等生で体格もよく、兄たちの死去で長男となっており、人の目で見れば条件は揃っていました。
アドニヤは将軍ヨアブと祭司エブヤタルの支持を得、他の王子や有力者を招きました。
ダビデの忠臣たちとソロモンを除いたところに明白な意図を感じます。
ことを察して動いたのは預言者ナタンでした。
バト・シェバを説得してダビデの下に行かせ、さらに自分自身で、危急を告げます。
アドニヤが既成事実を固めて王になれば、ソロモンの命は危ういと。
この時ナタンは、直接の提言はせず、王の言葉を待ちました。
次の王を決めるのは、王自身でなければならないのです。
2. ソロモン王の即位 1章28~40節
危機を認識し、奮い立ったダビデがまず口にしたのは、魂を苦難から贖い出された主への信仰告白でした。
ダビデは、ただちにソロモンをエルサレムの水源、ギホンの泉で即位させるように忠臣たちに命じました。
イスラエルを代表して王に祝辞を述べたベナヤがヨアブに代わり、実質、将軍としての働きを担っています。
ソロモンは、エルサレムの衆目の中で、祭司より油注がれ、王とされたのでした。
「ソロモン王、あれ」という民の叫びは、「わたしはある」という主が立てられた王への祝福の言葉です。
角笛の音が幾重にも吹き鳴らされ、民が喜び歌い、地が裂けました。
まさに神の臨在が現れたと言えます。
3. アドニヤの敗退 1章41~53節
ソロモン王即位を知ったアドニヤの支持者は散っていき、アドニヤは、祭壇の角をつかんで命乞いしました。
ソロモンは、平和の王として寛容を示し、アドニヤを家に帰らせた一方、再び悪をなせば死を覚悟するようにと、律法の下での厳格さを示したのです。
4. 主の御声を聴きとっていよう
緊迫した事態を知ったダビデの最後の力を振り絞った即断即行。
何よりこれば、主の御心に沿った決断でした。
ベストと程遠い状態で、重大な決断や行動を求められる時があります。
しかし、主がなされたことなら、主が必ず力を与えられます。主への信頼が求められます。
大きな罪も犯したダビデですが、信仰の歩みを止めることなく、力衰えても、信仰の火は強く燃えていました。
危機に際してダビデを突き動かしたのは、信仰の力に他なりません。
コロナ禍であぶり出されたのは、一人一人の主との関係です。
問われるのはただ私の信仰であり、求められるのは、主への信頼と従順、それだけです。
聖書の重みは、ますます増しています。
妙案も画期的な方法もありません。
私たちには、変わらない一つの信仰、十字架で死に、復活された主イエスへの信仰があるだけです。
ただこの福音で人生を貫き通しましょう。世のどんな危機も、主のご計画を妨げることはできないのです。