⑳使徒ペテロ 聖霊降臨 ペンテコステ 教会時代の始まり
1. 聖霊降臨の主な旧約預言
モーセは、仲介者としての重責の中、個々の民に神の霊が与えられることを望みました。律法は、民に律法を守る力がないという、本質的な問題を突きつけました。
イスラエル王国が滅亡に瀕した時代の預言者エレミヤに、神は、新しい契約を結ぶ約束をします。新しい契約において、神の律法は、心に書き記されます。聖霊が、律法を守る力を与えられるのです。
2. イエスによる聖霊の約束
イエスはニコデモに、救われるためには、聖霊による新生が必要だと言われました。
また弟子たちに、世を去った後、もう一人の助け主・聖霊を送ると約束されました。
そして、昇天直前にイエスは、間もなく弟子たちが聖霊のバプテスマを受け、主の証人として、世界中に派遣されていくことを告げたのです。
3. 聖霊降臨 ペンテコステ
イエスの十字架刑があった過越祭から50日後、ユダヤ三大祭の一つ五旬祭で、イスラエルの家・エルサレム神殿に集っていた弟子たちに聖霊が降りました。
神の栄光が臨在し、知らない筈の外国語で主イエスを証し始めた弟子たち。世界中から集っていた離散のユダヤ人たちは、自国の言葉で福音を聞いたのです。
驚く者も、嘲る者もいました。これが、教会時代の幕開けでした。
4. 最初のメッセージ、
ペテロは、何万という群衆の前に立ち、はっきり福音を宣言しました。
この最初のメッセージの冒頭に引用されたヨエル書の箇所は、終末預言を記したところです。
つまり、教会時代の最後、大患難時代の後に、ユダヤ人が民族的に悔い改め、聖霊の内住を受けて新生し、キリストが再臨され、世界は一新されるということの預言です。
始まったばかりの教会時代の最初のメッセージで、ペテロは、教会時代のゴールについて語っています。
聖霊降臨の出来事は、教会時代の最後、終末に起きる出来事のひな形なのです。
5. まとめ
わずか50日前、イエスを裏切って逃げ出したペテロが、イエスを十字架にかけた人々の真ん前で堂々と福音を告げました。
ペテロを変えたのが聖霊でした。この時、3千人が救われ、人々は愛に満ちた麗しい共同体を築いていきます。
すべては、聖霊が可能にされ、行われたことでした。
信じて救われたなら、信じて成長していくことです。私たちの信仰を成長させてくださるのは、内住される聖霊です。
「わたしにはできません。しかし、神様が助けてくださるなら不可能はありません」と、主に信頼することが求められます。
溺れている人が救出されるためには、救助者に全身を預けなければなりません。
救出の結果は、救われたか、救われなかったか、二つに一つ。半分しか預けなかったので、半分しか救われなかった、などということはないのです。救われたということは、確かに全身を委ねたということです。
私たちも、主を全面的に信頼したからこそ、全面的に救われました。
すでに一度決断した神への全面的信頼。それを続けていくことが、私たちの信仰の成長の過程で求められることなのです。
自分でなんとかしようと頑張るのでも、諦めるのでもなく、主に信頼し続けていくことが求められています。導いてくださる聖霊に委ねましょう。