聖徒伝5 ノア① 創世記5~6章 大洪水前夜 人の堕落と裁きの警告
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1. セツからノアの歴史 創5章
5:1~6:8までの2番目のトルドット(歴史書)。中心はアダムの系図です。
アダムの「かたちどおり」に生まれたセツから、信仰者の系譜が記されます。
この系図で重要なのは、女の子孫(メシア)の誕生の約束の継承という視点です。
総じて900歳前後の長寿の中、365歳で天に挙げられたエノクは、後のエリヤと同じく携挙される信者の型です。
アダムの死後に誕生した十代目ノア(慰め)。父レメクは、罪の呪いへの慰めをもたらすメシアだと思ったのです。
2. 世界の堕落 創6:1~8
神の子ら(ベネイ・ハエロヒム)が、人の娘たちを妻とした。これは、堕天使(悪霊)が、人間の女と交わったということです。
聖書で天使は、男性の姿で現れ、肉体(天的体)を持っています。
この時点では、悪霊にも肉体があったが、洪水で失われたと考えられます。それがどういうものであったかは、分かりませんが…。
人類という種そのものの滅亡の危機を招いた重大な罪に、主は、120年後の裁きを決めました。
120年という時は、人々が悔い改め、箱舟を建設するための猶予期間でした。
悪霊と人の間に誕生した、超人ネフィリムは、神への反逆者でした。大洪水で絶滅した彼らの伝説があったことを、民数記13章は、うかがわせます。
極まった地上の悪に、主は、人を造ったことを悔やまれました。神は、心変わりをすることはありません。
人間からは、神が悔やんだように見える、ということです。この義人法的表現が現しているのは、神の深い憐れみです。
3. ノアの選び 創6:9~22
主の心にかなったノア。神はノアを恵みによって選びました。ノアも一人の罪人でしたが、神と共に歩み、交わった、神に忠実な信仰者でした。
神の前に堕落した地。堕落の本質は、人が神から離れてしまったことです。
神は、ノアに箱舟建造を命じました。箱舟は、正確には、船ではありません。
長さ135m、幅23,5m、高さ13,5mの、言ってみれば、巨大な津波シェルターです。
13万頭の羊を収容可能で、すべての動物を一つがいずつ乗せるとして、種の数から、実際の頭数を計算すると3万5千~7万頭。
一部の大型の動物は、子どもでもいいと考えれば、余裕で搭載可能です。
箱舟と訳されたデイバーは、赤子のモーセを乗せた籠と同じ言葉です。
著者であるモーセは、赤子の自分が救われたデイバーに、箱舟を重ね合わせたのでしょうか。
箱舟の建材には、ゴフェルの木(不明)を用い、カファー(覆い)で防水が施されました。アスファルトだと思われます。
様々な浮遊物と衝突してもびくともしない、堅固な構造になっていました。
雨すら降ったことのなかった世界で、神は、ノアに世界規模の大洪水を警告され、その後に新たに結ばれる契約についての予告も告げられています。
ノアは、すべて神から命じられた通りに行いました。
まとめ. 恵みによって選ばれた私たち
ノアは、ただ神の恵みによって選ばれました。どんなに信仰深い人にも罪はあり、神の基準には届きません。
神に選ばれた人とは、神の恵みを、与えられたままに受け取った人です。
主に選ばれた者は、主に従い続けていくことを求められます。それはつまり、神から一方的に与えられた恵みを、受け取り続けていくということです。
日々、御言葉を味わい学び、兄弟姉妹との信頼関係を深めつつ、主の呼びかけに応答し続けていきましょう。