Q:十字軍をどう考えますか?
目次
Q:十字軍は、明らかに侵略戦争だったと思います。
聖地奪還のための戦いって、聖書的に正当化されるのですか?
「十字軍」は、当時の教会、国家の思惑が、宗教的、政治的に複雑に絡んだものであり、明らかに、聖地奪還以外が目的だったことも度々ありました。ユダヤ人が虐殺されたこともあります。ここでは、「聖地奪還」に絞ってお答えます。
1.約束の地は、イスラエルのものです!
十字軍の主体となったのは、聖書的に言うと「異邦人信者」ですが、約束の地は、あくまでアブラハムの子孫のものであり、異邦人に、その所有権はありません。
異邦人信者には、聖地奪還を訴える権利すら、そもそもないのです。
2.イスラエルの占有権は喪失中です!!
神のアブラハムへの土地の約束は、無条件の永遠のものであり、約束の土地の所有権は、失われることはありません。
一方、イスラエルが神に背けば、土地を追われることも、警告されていました。
バビロン捕囚以降、イスラエルがこの土地を実際に支配するという、占有権は喪失してしまったのです。これ以降を、異邦人の時代と言います。
現在のイスラエルは、聖書的には、不信仰のままの帰還であり、占有権は回復されていないのです。
現に、イスラエルは、ユダヤ人だけでなく、アラブ人はじめ、様々な民族が共存せざるを得ない土地となっています。
3.占有権の回復は、メシア再臨の時!!!
聖書には、イスラエルの回復が繰り返し預言されています。
メシアなるイエスの再臨の時、地上から悪が一掃され、イエスを王とする国、千年王国(メシア的王国)が誕生します。
この国を王と共に治めるのが、イスラエルです。
神がアブラハムに約束された土地が完全にイスラエルに与えられるのは、千年王国の時であり、それは、メシアご自身が回復されるのです。
信者の力で聖地を奪還せよという命令は、聖書には一切ありません。
聖書には、十字軍を肯定する根拠は、一つもないと言えます。
聖書が一部の人に独占されていた時代だからこそ起こった過ちたったのだと思います。
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