Q:聖書は侵略を正当化しているの?

      2017/07/28

Q:聖書を読んでいたら、「ことごとく滅ぼし尽くした」なんてことが書いてあって、驚きました。 いくらなんでも、あんまりだと思います…。

ヨシュア記のカナン征服のことですね…。クリスチャンでも、この箇所は何と説明すればいいのか分からないと戸惑う人は多いです。

1.義なる神は、悪を裁かれる方です!

聖書には、大洪水をはじめとして、神の厳しい裁きが何度か記されています。

ヨシュア記のカナン征服もその一つ。これは神がイスラエルの民を用いてカナンの民に裁きを下しているのです。聖書全体の歴史の中でも、極めて例外的なケースです。

カナンでは長らく、様々な偶像礼拝があり、あらゆる乱れた性的儀式、幼児犠牲、残虐行為が行われ続けていました。カナン時代の遺跡から、偶像神の犠牲にされたとみられるおびただしい幼児の骨が発見されています。

義なる神は悪を野放しにされません。裁きは厳粛に下されました。

2.愛なる神は、猶予期間も与えられます!!

義の神は、同時に、愛の神でもあります。

義と愛の神は、裁きに先立つ警告と悔い改めのための猶予期間を十分過ぎるほど与えられます。

創世記5章。大洪水に先立って、神は、「人の齢は、120年とした」とありますが、120年間の猶予期間を与えたという意味です。

120年の間、神が選んだノアによって、民に警告が与えられ、箱舟を建設する期間が与えられました。

イスラエルのカナン征服に先立っては、500年近い猶予期間が与えられています。

この間、イスラエルは、饑饉のためにエジプトに逃れ、約400年をエジプトで奴隷として苦しみの内に過ごしています。

イスラエルの先祖である、アブラハム、イサク、ヤコブを通して、カナンの民は、唯一の創造主の存在を教えられています。カナンの人々は、アブラハムによって、帝国の侵略から救い出されたこともありました。

このように、聖書から分かるのは、神は裁きに先立って、明確な警告を発せられ、途方もない猶予期間を与えられるということです。

ですから、裁きの時には、誰も何も言い逃れの余地はないのです。

裁きの寸前まで、悔い改めと救いのチャンスはありました。

イスラエルのカナン征服の最初の戦いがエリコでしたが、エリコ攻略の直前、ラハブという一人の遊女が、イスラエルの神を信じて、救われています。

3.安易な適応は、してはいけません!!

裁くのは、あくまで神であり、神の裁きの器に過ぎないイスラエルに、侵略の正当性はありません。

現に、エリコ攻略の際、神の命令に反して略奪を行った者がいたために、当人のみならず、民全体が、厳しい咎を受けました。(ヨシュア記7章)

創世記34章で、イスラエル12兄弟のうちのシメオンとユダが、妹の辱めの復讐に地元民をだまし討ちし、大虐殺を引き起こしましたが、その責任を問われ、後の世にも、悪行を刻まれています。

モーセの律法の十戒に、「殺すなかれ」とあるように、平時の故意の殺人は、聖書全体を通して厳しく咎められ、罰せられる行為です。

イスラエルによるカナン征服は、神がイスラエルの民を裁きの器として用いたという、極めて限定的な出来事であって、一般的に適応してはならないことなのです。

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