⑱ペテロとユダ 裏切り メシアの受難 十字架の死
1. 忍び寄る死の影
故郷ナザレを訪問した時、イスラエルの不信仰の歴史を指摘したイエスを、人々は崖から突き落として殺そうとしました。
イエスは、ペテロが歴史的な信仰告白を行った直後から、宗教指導者たちから殺され、復活することを話され始めました。
2. エルサレム入城
イエスが、ロバに乗り、平和の王としてエルサレムに入城されたその日は、過越祭に献げる子羊がより分けられる日でした。
エルサレムを見て、泣いて嘆くイエス。その目には、40年後のローマ軍によるエルサレム陥落の悲劇が見えていたのです。
3. ユダの裏切り
イエスが、「わたしは天から下ってきた生けるパンです」と語ったとき、多くの弟子は「こんなことを聞いていられようか」とイエスのもとを去りました。
この時、十二弟子のユダは、すでに裏切りを考えていました。(ヨハ6:71)
ベタニアのマリアがイエスに香油を注いだ時に、これを批判したユダは、献金を横領していました。
過越祭直前、裏切りを企むユダにサタンが入りました。ユダは、死んだ奴隷の賠償額である銀貨30枚で、イエスを売ったのです。
最後の晩餐の場で、裏切り者がいるとイエスは言われますが、それが誰か、当のユダ以外、誰も分かりませんでした。
捕縛隊を引き連れてイエスのもとにやってきたユダは、イエスに口づけをして合図を送り、イエスは捕らえられました。
この後、ユダは、後悔し、銀貨30枚を祭司長たちに返そうとしますが、拒まれると首をつって死にました。
その遺体が、地獄(ゲヘナ)を現すゲン・ヒノムの谷に投げ入れられたことは、彼が最後まで悔い改めず、神に裁かれたことを暗示しています。
4. ペテロの否認
ペテロは、事前のイエスの警告通り、三度イエスを否定しました。イエスを呪い、こんな人など知らないと誓ったペトロの罪も、非常に重大です。
5. 十字架の死
イエスが十字架につけられた時刻は、神殿で犠牲の子羊が屠られる時でした。
十字架上で、「父よ、彼らをお赦しください」と叫ばれたイエスこそ、人々の罪を贖う犠牲の子羊だったのです。
右隣で十字架に処せられた囚人は、イエスこそメシアと信じて救われました。
6. 二つの道 悔い改めか、拒絶か
ユダは、後悔はしても、主の前に悔い改めには至りませんでした。一方ペテロは、自らの罪を嘆いて悔い改めました。
イエスを最後まで拒む人がいます。なぜ、わたしは悔い改めに導かれ、救われたのか、分かりません。ただ、主の憐れみのゆえだとしか言えません。
信じた者には、このイエスの祈りが心に深く響きます。
「しかし、わたしは、あなたの信仰がなくならないように、あなたのために祈りました。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。(ルカ22:32)」