ペンテコステ(聖霊降臨)とは? 十勝監獄で起こったリバイバル、霊的覚醒
ペンテコステ(聖霊降臨)日とは?
ペンテコステは、キリスト教会では、クリスマス、イースターと並ぶ祝祭です。
人類の罪のために十字架で死んだイエス・キリストが、復活し、天に昇ってから40日後、弟子たちに神の霊・聖霊が降りました。
イエスが捕らえられた時には、逃げだしてしまった弟子たちでしたが、聖霊降臨以降、喜びのうちに、命がけで宣教していく者に変えられたことを聖書は記しています。
ペンテコステは、教団・教派を超えて、すべてのキリスト教会の誕生日です。
十勝監獄で起こった聖霊降臨
明治40年、十勝監獄をピアソン宣教師夫妻と坂本直寛牧師が訪問し、800名の囚人を前に神の愛を説きました。
この時、多くの囚人たちが、自らの罪を悔い改めて、500人が入信の決意をするという出来事が起こりました。講堂中に、囚人たちがむせび泣く声が響き渡り、看守たちも涙しました。
当時、十勝監獄に収監されていた囚人の多くは終身刑で、強盗、放火、殺人などの重犯罪者でした。
しかし、悔い改めて信者となった囚人たちは、喜びに満たされ、互いに愛しあい、よく働き、他の囚人の模範となったと言われています。
当時、十勝監獄の典獄(所長)だった黒木鯤太郎氏は、囚人たちの人格を尊重し、聖書を通して粘り強く、悔い改めと神の救いを説いていました。地道な働きが、多くの囚人たちの劇的な回心の下地となったのです。
この2年後の明治42年には、和寒町塩狩峠で列車事故が起き、長野正雄鉄道員が、暴走する客車を止めるため、線路に身を投げ出すという出来事がありました。
後に、三浦綾子氏が、小説「塩狩峠」に記しています。
生き様で神の愛を現した人々が、北海道に多く起こされた時だったのだと感じます。
今も働かれている聖書の神
破滅寸前に一冊の聖書と出会い、ヤクザから悔い改めた、少なくない人々がいます。中には牧師となり、世界中を訪れて、「人生はやり直せる」と語って回っている人がいます。
その一人のある牧師は、ある薬物依存症の厚生施設を訪問したおり、「依存症が治っている人を初めて見た」と言われたそうです。一度薬物依存になった人は、生涯、闘いが続くと言われるからです。
聖書の記す、救いとは?
キリスト教の救いはシンプルです。どうしようもない自分の弱さ、罪深さを、生きておられる神が憐れみ、変えてくださる、ということです。
十勝監獄の囚人たちが、「イエス・キリストが、自分の罪のために十字架で死に、葬られ、復活され、今も生きて共におられる」と信じ、受け入れたその時、彼らを心の底から変える奇跡が起こったのでした。
自ら蒔いた種の刈り取りの人生の内に、永遠の命の希望が与えられ、喜びが湧き上がっていったのです。