動画&まとめ メシアの受難① ベルゼブル論争 マタイ12:22~32「イスラエルの拒絶と裁き」
目次
1. メシアの登場
数々の預言通りに誕生されたイエスは、30歳からメシアの活動を始めます。
重い病や障害の癒し、数々の奇跡によって見せられたイエスに対し、ユダヤ議会(サンヘドリン)は、イエスがメシアかどうかを調べるため、調査団を派遣します。
2. メシア調査団 マタイ12:1~
メシア調査の最初は、①観察です。この段階では、調査団は黙って観察することに徹します。
中風の人の癒やしの場面(マタイ9:1~8他)で、心の中で疑いを抱いた律法学者たちとは、議会から派遣された観察段階にある調査団です。
②審問の段階に入ると、イエスとの間で、様々な質疑応答や討論がされていきます。そのピークが安息日論争(マタイ12:1~14他)でした。
イエスは、律法の真の意図を権威を持って説き、安息日に関する口伝律法を堂々と破り、癒しまで行いました。
イエスの、「人の子(イエス)が、安息日の主である」とは、彼らにとって許しがたい神への冒涜の言葉でした。
パリサイ人ら、宗教者たちは激高し、イエス殺害計画を立て始めました。
3. ベルゼブル論争 マタイ12:22~24
イエスは、目も見えず、口もきけない人から悪霊を追い出しました。この奇跡も、メシアだけが行えると律法学者自身が言っていた、メシアを証明するメシア的奇跡でした。
しかし、この奇跡を見たパリサイ人は、イエスは悪霊の頭ベルゼブルの力で悪霊を追い出していると言います。イエスを悪霊憑きと断定したのです。
これが③結審、ユダヤ議会のメシア調査の結論でした。
紀元1Cのユダヤ教のタルムードに、イエスは魔術でイスラエルを惑わしたと記されています。律法によれば死罪に当たるということです。
イスラエルは公式にメシアを拒むという、民族的罪を犯したのです。
4. イスラエルの裁きの確定 マタイ12:25~32
悪霊が悪霊を追い出すという論理の矛盾を突き、あなたがたは何によって悪霊を追い出すのかと問い返すイエス。
しかし、イエスの権威を信じるなら、その人は神の国の民とされるのです。
イエスこそ、サタンに勝利され、王の王となる方です。一方、メシアを拒む宗教指導者は、サタンの側にいます。
目の前をメシアを拒むという民族的罪は、御霊に逆らう冒涜であり、赦されない罪でした。この時点で、この時代のイスラエルへの裁きが確定します。
40年後の紀元70年、ローマにより、エルサレムは徹底的に破壊されます。
イエスの預言通り、神殿は一つの石まで崩されてしまったのです(マタイ24:1~2他)。
ユダヤ人の民族的悔い改めと救いがもたらされる、終末の大患難時代の最後まで、ユダヤ人の受難は続きます。
5. まとめ ~受難節に主イエスの十字架を仰ぎ見る~
当時のイスラエルは、イエスは悪霊憑きであり、死罪に値すると裁きました。
一方イエスは、目の前のメシアを拒んだイスラエルを、聖霊を冒涜する赦されない罪だと裁きました。
聖書が、すべての人が求めるのは、どちらの裁きを信頼するか、ということです。
わたしたちが受難節に覚えることとは、イエス・キリストが、私の罪のために十字架にかけられたということにほかなりません。
これを受け入れる者には永遠の救いがあり、拒む者には永遠の滅びがあります。
罪の自覚は、信じない者には苦しいだけです。しかし、信者にとっての罪の自覚は、主イエスの十字架の贖いを味わい知る恵みなのです。