動画&まとめ ⑭使徒の働き 12章 ヤコブの殉教、ペテロの投獄、ヘロデ・アグリッパ1世の死 「それでもすべては主の御手の内に」
1. ヤコブの殉教とペテロの投獄
ヘロデ・アグリッパ1世(ヘロデ大王の孫)は、ユダヤ人の支持を得るために、使徒ヤコブを斬殺し、ペテロを投獄します。
ペテロのために、教会は祈り続けていたとあります。キリストの体である教会の祈りは、主イエス御自身の祈りです。
2. ペテロの解放
ペテロの前に、突然天使が現れ、導きます。厳重な警備をすり抜けて脱獄したのは、確かに幻ではありませんでした。
我に返ったペテロは、教会全体がかつてない危機に直面していたからこそ、神が直接介入されたのだと悟りました。
仲間たちの元へ戻ったペテロでしたが、女中のロダは、喜びのあまり、門を開けもしないで、知らせに戻りました。
このエピソードは、教会で語り継がれていたのでしょう。神様のユーモアに満ちた温かい視線を感じます。
解放されても、教会の危機は去っていません。ペテロは浮かれるどころか、教会を守るためにエルサレムを去ります。
これ以後、使徒の働きにペテロは登場しませんが、その後妻を連れ、小アジア、ギリシャ各地を巡ったことが、各書簡の記事から分かります。
3. ヘロデ王の傲慢と破滅
祖父のヘロデ大王の最盛期の領土を取り戻したヘロデ・アグリッパ1世は、北方のツロ、シドンへ勢力を伸ばそうとしていました。
かつてローマ総督府のあったカイザリアで、ヘロデは、自身の権威を示すべく式典を開きます。
きらびやかな衣装をまとい、太陽に照り輝く菅に、人々は賞賛を浴びせたと歴史家のヨセフスも記しています。
しかし、ヘロデの様態は急変、そのまま死に至ったのでした。虫にかまれて息絶えた、とは、最悪の死であり、神の裁きを受けたことを表しています。
享年54歳。即位からわずか7年目でした。
4. 福音の広がり
ヤコブの殉教、大迫害は、さらなる教会成長のきっかけとなり、異邦人伝道が本格的に広がって行きます。
バルナバとサウロがマルコと共に登場します。
使徒の働きの後半、次回13章以降、異邦人伝道を最先端で担うのが彼らです。
5. 主の主権に委ねる恵みと平安
なぜヤコブは殉教し、ペテロは解放されたのか。神様しか分かりません。
結果を見れば、ヤコブの殉教は、教会のさらなる成長のきっかけとなりました。
何をどう実現されるのか。主権は神にあります。置かれた状況の中で、何を選ぶかという責任は、私たちに一人一人に与えられています。
そして、神は、よい選びも悪い選びも、すべてを用いて、ご自分の計画を進められるのです。
神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている。【ロマ8:28(口語訳)】