聖徒伝99 ダビデ編15 サムエル記第二15~16章 アブサロムの反乱 人生の谷間を歩む時に
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1. アブサロムの反乱 15章
アブサロムは、戦車や兵を得て自分の力を誇示し、知恵と憐れみを演出し、イスラエルの人々の心を盗みました。
4年に渡る周到な準備を経て、アブサロムは王権を奪取します。
献身の誓願を口実に、イスラエルの代表をユダ族の由緒ある町ヘブロンに集わせ、自らの王への即位を宣言したのでした。
これを聞いたダビデは、すぐさま都を脱出しました。都と民を戦火に巻き込むことを避けたのです。
ダビデは、王宮の留守番に十人の側女を残しました。このことにより、神の預言が成就することとなります。
ダビデに付き従った者には、異邦人の改宗者たちも多くいました。その一人がペリシテ人でガテの町からの亡命者イタイでした。
逃亡生活を共にさせるのは忍びないと言うダビデに、イタイは、忠実に仕えることを示しました。
またダビデは、祭司たちを神の箱と共に都に残しました。都にとどまることが彼らの使命であったからです。
泣きながら裸足でオリーブ山の坂を上ったダビデの姿は、深い悔い改めと嘆願の祈りを表しています。
さらにダビデは、年老いた預言者フシャイを都にとどめました。彼の知恵が後にダビデを救うこととなります。
2. ダビデの都落ち 16章
亡き友ヨナタンの息子メフィボシェテ。その僕ツィバは、多くの贈り物を携えて来て、主人が王の恩を忘れてしまったと告げ口しました。この嘘にダビデは気づきませんでした。
そこに現れたのがサウル家に連なるシムイでした。シムイの吐く呪いの言葉をダビデは甘んじて受けました。ダビデの罪への叱責と受け取ったのです。
絶望の中で打ち砕かれてへりくだり、ダビデの主への信頼はむしろ強められています。
「主は今日の彼の呪いに代えて、私に良いことをもって報いてくださるだろう」と。
入れ違いでエルサレムに入城したアブサロムに、参謀アヒトフェルが進言したのは、ダビデの残した側女たちと寝ることでした。
アブサロムは、王の権威を誇示したこの行為は、はからずも、主がダビデに告げられていた懲らしめの預言の成就となりました。
3. 悔い改めつつ深める救いの確信
都落ちする中でのダビデの行動には、正しいことも誤りもありましたが、揺れながらも、主の前に悔い改め立ち帰っていったことが見て取れます。
懲らしめられる者は幸いです。父なる神が子とみなしてくださるからです。
喜び躍って都に上ったダビデは、自らの罪の結果、悲嘆の内に都落ちしましたが、その身は守られ、しばらく後に、再び王として都に戻りました。
ダビデの姿は、メシアの予型です。歓喜の中迎えられたメシアは、苦難の内に捕らえられ、十字架で死に、復活されました。
主イエスは生きて天におられ、王の王として戻って来られます。真実の神の都となったエルサレムに。
ダビデのように、主の約束を信頼して堅く立ち、御言葉の学びによって、救いの確信を深めていきましょう。