十勝の鹿追町 聖書と人生のいろいろ

Q:自殺したクリスチャンは救われてるのですか?

2021/08/13
 
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2016年9月に、十勝鹿追町オープンした小さな教会です。,Voluntarily(自発的に),Open(開放的に),Logically(論理的に),聖書を学んでいます。史上類をみない大ベストセラー、聖書について、一緒に学んでみませんか? 執筆者は、牧師:三浦亮平です。

Q:聖書では自殺は罪なんですよね? じゃあ、自殺したクリスチャンは、
どうなんですか? 救われているんですか?

 

0. 聖書にはなんと記されているか?

聖書には、自殺に関して明記されている訳ではありません。

律法の十戒の一つに、「殺してはならない」とあることから適用して、「自殺も自分を殺すことだから、いけないよね」と、解釈されているのです。

一方で、律法には、重大な違反者への死刑の宣告や、神に対する敵との戦いの命令や、過失致死を犯した者を復讐者から守る制度なども記されています。

「殺してはならない」とは、平時における故意の殺人についてだと分かります。

自殺に関しても、是非を判断する前提として、どのような内容の死だったのか、個別にとらえる必要があると思います。

ここでは何より、救いの原則に照らし合わせて考えたいと思います。

 

1. 変わらない救いの原則!

「イエス・キリストが私の罪のために死んで、葬られ、復活された」

人は皆、この福音を信じて救われます。

一度信じたならば、その救いは、決して失われることはありません。

 

主イエスの十字架の贖いは、一度きりの、永遠で完全なものです。

同様に、信じることも一度きりの応答です。

信じたその瞬間に、神との和解の契約が結ばれています。

それは、何があろうと、決して破棄されることのない永遠の契約です。

 

2. 人は信じてからも罪を犯す!

「罪のゆるし」とは、莫大な借金を帳消しにされるようなこと。

しかし、借金がなくなっても、借金をもたらした自分自身の罪の性質は残っています。

放蕩生活に戻ってしまうのは簡単です。

ですから、日々、神との関係を深めていくことが求められるのです。

 

救いは一瞬の出来事ですが、信仰の成長は、時間のかかることです。

失敗しては悔い改めて、という繰り返しの中で、私たちは、聖霊の導きによって少しずつ成長させられていきます。

 

聖書では、思い煩いもまた、罪です。すべての必要を満たしてくださる主を信頼していないことだからです。

罪とは神との断絶です。神への信頼がない状態は、罪です。

死に到るほどに、心が病んでしまう、それもまた、罪の結果なのは確かです。

 

3. どうしようもない私たちの弱さ!!

しかし、この、どうしようもない弱さを抱えているのが私たちです。

信じて歩み始めてなお、心を病んでしまうこともあるし、自ら死に到ることもある。それが私たちの現実です。

命がけで祈るイエスの傍らで眠りこけた弟子たちのように、「心は燃えていても体は弱い」、それが私たちです。

自分自身を振り返るときに、そんな危うさの中に身を置いていた時があったことを思います。

 

こんなにも弱い私たち。だからこそ、父なる神は、愛するひとり子を犠牲にされ、十字架にかけられました。

それしか道はなかったのです。

「この方以外には、だれによっても救いはありません。天の下でこの御名のほかに、私たちが救われるべき名は人に与えられていないからです。使4:12」

こう宣言されている通りです。

 

4. ただ主に委ねよう!!

自殺した故人がどうなったか。分かりません。主だけがご存じです。

その人が福音を信じたなら、救われています。一度与えられた救いは、決して失われることはないからです。

亡くなった方のことは、完全に神の領域です。

 

残された私たちにできるのは、ただ、神を信頼することだけです。

私たちの主は、途方もない愛の方であり、全てのことをご存じで、最善をなしてくださいます。

 

信仰の歩みは、日々戦いです。つまずくこともあれば、大敗を喫することも、あります。

しかし、主と共に歩んだ信仰の日々は、その人自身と主のものです。

その善し悪しは人が決めるものではありません。

 

5. 誰のせいでもないのだから!!!

ですから、愛する人の死を受けて、自分や誰かを責めるのはやめましょう。

それは、誰のせいでもありません。

 

信仰の戦いの一つの結末を受け止められるのは、神様だけです。

その人はその人に与えられた戦いを戦い抜いて、すべては主に委ねられました。

残された私たちに求められるのは、各々の戦いを戦っていくことです。

そして、この信仰の戦いに勝利するために求められるのは、ただ、主への信頼だけなのです。

 

私たちが戦っている相手は、巨大で、巧妙で、抜け目なく、私たちのちっぽけな力ではどうしようもないものです。

私たちにできるのはただ、主に信頼することだけです。

自分の内からあふれ出す感情を、押さえつけないでください。

悲しみも、やるせなさも、憤りも喪失感も、すべてをただ、主に明け渡してください。

 

旧約聖書の詩編は、イスラエルの民の祈りの言葉そのままです。

人生の不条理への嘆き、悪への憤り、深い悲しみ、赤裸々な罪の告白…。

私たちは、どうにもならない思いを、すべてそのままに、主にぶつけてよいのだと教えられます。

私たちに求められているのは、主は、全てを受け止め、責任を果たされる方なのだという、その信仰だけなのです。

 

付. 詩編に心重ねて祈る

苦難の中にある方には、ぜひ詩編を開いて、一日一遍ずつでいいから読んで味わっていただくことをおすすめします。

詩編は、どうしようもない罪の中で、人々が献げた、祈りの言葉、信仰の告白です。

 

【詩編51編(新共同訳)】

51:1 【指揮者によって。賛歌。ダビデの詩。51:2 ダビデがバト・シェバと通じたので預言者ナタンがダビデのもとに来たとき。】
51:3 神よ、わたしを憐れんでください/御慈しみをもって。深い御憐れみをもって/背きの罪をぬぐってください。
51:4 わたしの咎をことごとく洗い/罪から清めてください。
51:5 あなたに背いたことをわたしは知っています。わたしの罪は常にわたしの前に置かれています。
51:6 あなたに、あなたのみにわたしは罪を犯し/御目に悪事と見られることをしました。あなたの言われることは正しく/あなたの裁きに誤りはありません。
51:7 わたしは咎のうちに産み落とされ/母がわたしを身ごもったときも/わたしは罪のうちにあったのです。
51:8 あなたは秘儀ではなくまことを望み/秘術を排して知恵を悟らせてくださいます。
51:9 ヒソプの枝でわたしの罪を払ってください/わたしが清くなるように。わたしを洗ってください/雪よりも白くなるように。
51:10 喜び祝う声を聞かせてください/あなたによって砕かれたこの骨が喜び躍るように。
51:11 わたしの罪に御顔を向けず/咎をことごとくぬぐってください。
51:12 神よ、わたしの内に清い心を創造し/新しく確かな霊を授けてください。
51:13 御前からわたしを退けず/あなたの聖なる霊を取り上げないでください。
51:14 御救いの喜びを再びわたしに味わわせ/自由の霊によって支えてください。
51:15 わたしはあなたの道を教えます/あなたに背いている者に/罪人が御もとに立ち帰るように。
51:16 神よ、わたしの救いの神よ/流血の災いからわたしを救い出してください。恵みの御業をこの舌は喜び歌います。
51:17 主よ、わたしの唇を開いてください/この口はあなたの賛美を歌います。
51:18 もしいけにえがあなたに喜ばれ/焼き尽くす献げ物が御旨にかなうのなら/わたしはそれをささげます。
51:19 しかし、神の求めるいけにえは打ち砕かれた霊。打ち砕かれ悔いる心を/神よ、あなたは侮られません。
51:20 御旨のままにシオンを恵み/エルサレムの城壁を築いてください。
51:21 そのときには、正しいいけにえも/焼き尽くす完全な献げ物も、あなたに喜ばれ/そのときには、あなたの祭壇に/雄牛がささげられるでしょう。

この詩編51編には、ダビデ王の罪の告白がうたわれています。

部下の妻と関係を持ち、証拠隠滅のために、部下を死に追いやったダビデが、罪を指摘された時にうたった悔い改めの歌です。

信仰の勇者であったダビデすら、大きな過ちを犯しました。
神の民であるイスラエルの歩みは、過ちの連続でした。

 

それにも関わらず希望があるのは、主なる神は、愛と赦しの神であり、ご自身が一方的に結ばれた恵みの契約を完全に守られる方だからです。

ダビデは、罪を重ねてきたイスラエルが、悔い改めて、完全に主に立ち返る時が来る、という主の約束に希望を置いています。

主が世界を回復し、罪にまみれた自分をも完全に回復してくださる時が来る、と。

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