聖徒伝80 サムエル② 2~4章 サムエルの召命 主の言葉を地に落とすな
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1. エリの子らの不義 2章11~36節
主に仕え、主に愛された幼子サムエル。一方、祭司エリの息子たちは、主を知らず、ささげ物を横取りし、幕屋で仕える女たちと寝ていました。
エリの忠告も無視した彼らは、心頑なにされ、裁きが確定してしまいました。
ある時、預言者が来てエリに主の戒めを告げます。
エリは、息子たちの罪を放置した責任を問われ、エリと子孫の名は祭司の系譜から絶たれることとなりました(Ⅰ歴6章)。
この預言は、ソロモン王の時に成就します(Ⅰ列2:27)。
2. サムエルの召命 3章
エリは老い、イスラエルのともしびは消えようとしていました。
ある時、主は、幕屋で寝ていたサムエルを呼ばれます。
エリに呼ばれたと思い、走って行ったサムエルは、主を受け入れる準備ができていませんでした。
三度目に、エリは、サムエルが主に呼ばれたと悟ります。
再び主に呼ばれたサムエルは、「主よ、お話ください。しもべは聞いております」と、エリに教えられた通りに答えました。
主が告げたのは、エリと子孫への厳しい裁きでした。
自らに呪いを招く息子たちの行為を、知りながら思いとどまらせなかった。それが理由でした。
翌朝、サムエルに主の言葉をそのまま伝えるよう迫ったエリは、主の裁きを覚悟していました。
この後、サムエルは成長し、士師、預言者として用いられていきました。サムエルは、神の言葉を聞き逃すことなく、主に仕えて行ったのです。
3. イスラエルを去った神の栄光 4章
ペリシテ人との戦いに負け、多くの死者を出したイスラエルは、契約の箱を前線に運び入れます。
大歓声を聞き、箱の到着を知ったペリシテ人は、かつてエジプトの神々を打ったイスラエルの神の力を思い起こし、恐れました。
決死の覚悟で奮い立ったペリシテ人によって、イスラエルは甚大な損害を被り、エリの二人の息子も死にました。
そして最悪だったのは、神の箱が奪われたことでした。伝令からの報告を聞いたエリは、倒れて死にました。
死んだ息子ピネハスの妻は、訃報を聞いた直後に産気づき男子を産みます。
妻が、子に「イ・カボデ(栄光がない)」と名づけたことが、神の箱の強奪の衝撃の大きさを物語っています。
4. 主に聴き、自分に向き合おう
息子たちの重罪を知りながら放置した。これがエリの罪でした。
とがめはしたが、遅すぎたし、弱すぎました。
親に求められるのは、体を張ってでも子どもに対峙する、その覚悟です。
罪ある人が顔を付き合わせて暮らす以上、どの家庭にも問題はあります。
自分や家族の欠けを正しく理解し、対処できるのが、成熟した信仰者です。
目の前の現実に向き合い、行動を起こすとき、必ず主の助けは与えられます。
愚かな私たちは、性懲りもなく過ちを繰り返しますが、悔い改め続けていく限り、それでも変えられ、成長させられていくのです。
強く促されます。
歩み出さないなら、その信仰は嘘です。主に信頼するなら歩み出せ、と。