動画&まとめ ⑬使徒の働き11章 キリストバカと呼ばれて クリスチャンという呼び名のはじまり
1. ペテロの嬉しい知らせ
カイザリアで異邦人に聖霊が降った出来事は、たちまち人々に広まりました。
エルサレムに上ったペテロは、割礼派のユダヤ人に、異邦人と交わったと非難されます。異邦人が救われるには、割礼を受け、ユダヤ人にならねばならないと考えていた人々です。
ペテロは、順序立てて、冷静に事情を説明します。以前の直情的な彼とは別人のような姿に、信仰の成熟を感じます。
前章の内容が、そっくり繰り返されているのは、ペテロが、いかに正確に語ったかを表しています。ペテロと、同伴した6人を合わせて7人が証言しました。
証言を語るペテロと、耳を傾ける弟子たちに、何より聖霊が働きかけていました。
モーセ以来、神の律法に従い、異邦人との交わりを徹底して避けてきたのがユダヤ人です。彼らは、異邦人と交わり偶像崇拝に堕したゆえに、厳しい裁きも経験しました。
異邦人への聖霊降臨を受け入れることは、ユダヤ人である彼らにとって、天地がひっくり返るような大転換であったと思いますが、しばしの沈黙の後、弟子たちは、この事実を神のご意志と受け止め、神を誉め讃えました。
2. アンティオケでの宣教
ステパノの殉教以来の大迫害によって、散らされた人々は、地中海沿いに北上していきました。当初は、あくまでユダヤ人に福音を宣教していました。
しかし、トルコ沖のキプロス島やアフリカのクレネ出身の異国育ちのユダヤ人が、アンテオケの町で、ギリシャ人にも伝道を始めたのです。驚くことに、多くのギリシャ人が主を信じて立ち返りました。
この知らせに驚いた使徒たちは、バルナバを派遣します。
キプロス出身のレビ族のユダヤ人だったバルナバは、土地をすべて売って献身し、「慰めの子」というあだ名の通り、人々を慰め、導くコーチの役割を果たしていたようです。
日々増大する異邦人伝道のために、バルナバが見いだしたのがサウロでした。
劇的な回心と強烈な伝道の末、迫害を受け、中東の奥地、タルソス地方へ逃れていたサウロ。彼は、実に10年ぶりに伝道の表舞台へと引き戻されたのです。
エルサレムから始まった信仰のルーツを大切に、ユダヤ人を経済的に支援し、異邦の町で主イエスを証しし、世界宣教の使命を担っていった。それが、アンテオケの教会でした。
3. クリスチャンであるということ
アンテオケで初めて、弟子たちは「クリスチャン」と呼ばれるようになりました。
いつもキリストのことばかり話していたので、キリストバカというあだ名がついたのを、まさにその通りだと自称していったのです。
私たちは、キリストを通して神と和解しました。キリストにつながり、キリストと共に生きています。
キリスト(メシア)とは、元々、油注がれた者という意味であるように、キリストにつく私たちにも、同じく、聖霊の恵みが注がれています。
クリスチャンである恵みを存分に味わいましょう。
そして、名実共に、人々からもキリストバカと言われる者になりたいと願います。