動画&まとめ ㉗使徒の働き25章 「主の道を見据えて」 ~再び動き出す時~
1. カイザルに上訴するパウロ
ユダヤの新総督フェストは、着任後すぐにエルサレムに上ります。イスラエル統治の肝は、ユダヤ人指導者たちの人心掌握だと心得ていたのでしょう。
祭司長たちは、フェストに、パウロの取り調べをエルサレムで行いたいと頼みます。二年越しの暗殺計画を遂行しようという企てが裏にありました。
フェストは、総督府の裁判に訴えるよう彼らに命じ、カイザリアですぐさま法廷を開きました。
ここでもユダヤ人たちは証拠を上げられませんでした。フェストは、ユダヤ人の歓心を買おうと、エルサレムで、総督の下での裁判を提案します。
パウロは、あくまでローマ市民としての裁判を望み、カイザル(ローマ皇帝)に上訴をしました。最高裁にあたる、ローマの法廷での裁判を求めたのです。
時の皇帝は、後にローマで、キリスト者に大火の責任を負わせ、厳しく迫害したネロでした。
2. 王の前に引き出されるパウロ
数日後、カイザリヤにアグリッパ王(ヘロデ・アグリッパ2世)がやってきます。彼はヘロデ大王のひ孫であり、父アグリッパ1世は、使徒ヤコブを殺害し、高慢を裁かれ、虫に侵されて死にました。
アグリッパ2世は、70年のエルサレム陥落の際には、ローマ軍と同盟し、神殿を破壊したと言われています。
フェストは、前任者ペリクスが残したパウロの処遇をめぐるやっかいな問題をアグリッパ王に持ちかけました。
翌日、フェストは、アグリッパ王を招き、パウロの裁判を開きました。パウロの上訴とローマ行きは決定事項ですから、この裁判は、パウロ移送の理由を決めるための奇妙な裁判となりました。
3. フェストを反面教師に学ぶこと
有能な総督フェストは、棚上げにされていたパウロの裁判を迅速に行い、争点も正確に理解しました。つまり、ユダヤ人の信仰に基づくこと、イエスの復活に関することだと認識していたのです。
フェストが理解していなかったことがあります。イエスの十字架の死と復活は、ユダヤ人の宗教的問題にとどまらず、人類の救い、フェスト自身の救いに関することだということです。
すべての人は、創造主なる神の前に自らの罪を認め、福音を信じて受け入れるよう、促されているのです。
そして、信じた者は、主イエスが、私を変えてくださると信頼し続けることを求められます。罪を犯した時、過去の過ちに気付かされた時には、主の前に告白し、悔い改めるのです。
信者の成長を拒むものは、①過ちと気付かされたのに悔い改めないこと。②大切な使命を与えられたのに、取り組まないでいることです。
主は、私たちに、一つ一つ課題を与えられます。一つのことに取り組めば、次の道が拓かれてきます。
使命として与えられる停滞もあります。パウロは、教会の働きが止まったかのような2年間の監禁の日々にも、主に聞き続け、その信仰と霊性は高められました。
主に聴き、次の飛躍に向けて、御言葉を学び、力を蓄えましょう。