聖徒伝27 モーセ① 出エジプト記1~4章 「ない者を用いる あるという神」 モーセの召命
【メッセージPDF】27_モーセ1_モーセの召命_200322
1. イスラエルの苦難 出1章
宰相となりエジプトを大飢饉から救ったヨセフ。時が過ぎ、王朝は変わり、イスラエルは奴隷となっていました。
一大勢力となったイスラエルを恐れた時のパロは、過酷な労働を課しますが、それでもイスラエルは増え広がります。
パロは、イスラエル民族を絶やそうと、出生した男子の殺害を命じました。
助産婦たちの協力を得られなかったパロは、さらに男子をナイル川に投げ込むよう、厳命します。民族根絶命の危機でした。
2. モーセの誕生・前半生 出2章
後に祭司を担うレビ族に、一人の男子が生まれます。その格別の「美しさ(ヘブ11:23)」に、両親は神の計画の現れを見たのだと思います。
籠に入れられ、ナイル川に浮かべられた赤子。拾い上げたのは、エジプトの王女でした。王女に語りかけたその子の姉の機転で、実の母が、乳母となります。
慈悲深い王女と実母との、あうんの呼吸でした。王宮で王女の子として育てられたその子は、モーセと名付けられます。
その子はまさに、死の淵から引き上げられた(マシャ)のでした。
40歳の時、モーセは、エジプト人に打たれていた同胞を助けようとして、相手を殺してしまいます。
翌日には、同胞同士の争いを仲裁しますが、拒絶され、昨日の殺人をばらすと脅されました。
モーセは、パロに命を狙われる身となり、エジプトを逃れたのでした。
辿り着いたアラビア半島北部で、ミデヤン人の娘たちを助けたことから、その父に気に入られ、一人の娘をめとったモーセ。
一介の羊飼いとなった彼は、息子に、ゲルショム(寄留者)と名付けました。
そして、40年が過ぎます。
3. モーセの召命 出3章
80歳のモーセの前に、燃える柴を通して主が現れ、語りかけました。民を連れ、シナイ山で礼拝せよ、と。
アブラハム契約に基づき、いよいよ動き出された神。しかしモーセは、たじろぎ、主の名を求めます。
主が明かされたのは、「わたしはある」という御名でした。すでに知られていたヤハウェという御名の本質が告げられたのです。
モーセがパロに告げるべき内容を、神は詳細に告げられました。
そして、かたくなになったパロが、神による様々な奇跡の末に、イスラエルを解放することまでもが、あらかじめ予告されたのでした。
4. モーセの使命 私たちの使命
神は、何にもよらず、欠けもなく、すべてを支配される限界のない方です。
唯一確かにある神が、ない者を用いられます。主は、もはや何者でもない80歳のモーセを、器として選び出されました。
神の前には、人間など誰もが無に等しい者です。自分の無力さを自覚された者こそ、主の用いやすい器なのです。
信仰者の使命は、子どもの“はじめてのおつかい”のようなものです。
今、私たちに命じられているのは、福音を宣言し、聖書を解き明かし、お互いをキリストの弟子として育みあっていくこと、それだけです。
すべては神の内にあります。私たちの手には何もなくていいのです。
ただ、主を信頼し、主に期待て、主の命じられた使命に遣わされて行きましょう。