聖徒伝13 アブラハム⑤ 仲介者の使命 ソドムの滅び 創世記18~19章
【メッセージアウトライン:PDF】13_アブラハム⑤_ソドムの滅び_191103
1. アブラハムのとりなし 18:17~33
3人の客人を見送る途中、主の御使い(受肉前のキリスト)が、アブラハムに選びの民としての使命を知らしめ、重大な警告をします。
それは、死海沿岸の都市ソドムへの裁きでした。アブラハムは、ソドムために、とりなしの祈りを始めます。
公正な神の義に訴えかけるアブラハム。とりなしのカギは、神のご性質を理解し、御心を聞き取ることです。
50人の正しい者がいたら、滅ぼさないという神の宣告に対して、アブラハムは、45人なら滅ぼされるのですか、と交渉を重ね、最後には10人の義人がソドムにいれば滅ぼさないというところまでこぎ着けたのでした。
中東の典型的な商取引では、相場を大幅に上回る言い値からはじめて、時間をかけて、売り手と買い手の妥協点を見極めていきます。
なぜ、義人10人でやめたのか? それが主の決めた条件なのだと、アブラハムは理解したのです。裁きは、主の御心の通りにしかならないことです。
ソドムには、甥ロトの親族が10人いました。ソドムの滅びと救いは、実質、彼らの信仰にかかっていたのです。
2. ソドムの滅び 19:1~38
ソドムを訪れた二人の天使を、行政機関があった町の門でロトが迎えます。
長老となっていた彼は、以前ソドムを救ったアブラハムの恩恵で、町の有力者と結婚していたのかもしれません。
二人の客人を家に案内してもてなしたロト。発酵していない種なしパンでもてなすほどに、彼は急いていました。
間もなく町の男たちが押し寄せ、客人の引き渡しを要求します。
ソドムの住民を知り、親しく交わり、悔い改めを求めた神の意図とは逆に、彼らは、天使を性的に犯すという意味で、「知りたい」と欲したのでした。
大洪水前には、人が堕天使である悪霊と交わりました。その最悪の罪が、ここでも繰り返されています。
翌朝、天使は、躊躇するロトと妻と二人の娘を連れて、町を離れます。ロトが避難先に望んだツォアルの町に辿り着くやいなや、硫黄の火が降り、ソドムとゴモラは滅亡したのでした。
振り返った妻は、心をソドムに囚われたまま、塩の柱と化しました。
山に住み、孤立した生活を送っていたロト。二人の娘は、子孫を得ようと父を犯し、子を産みました。
3. 絶望の中にも残った灯火
新約聖書で、ロトは、義人と呼ばれています。彼はただ、主を信じる信仰によって、滅びから救われたのでした。
長女の罪の末に誕生したモアブ人は、後に、イスラエルを姦淫の罪に陥れました。しかし、モアブ人ルツがボアズの間に生んだ子が、ダビデにつながり、メシアの家系をつないでいます。
来たるべき千年王国で、ソドムの町は回復しています(エゼ16:44~57)。
神は、人が犯した罪の結果すら用いて、世界を回復に導く方です。
罪人に過ぎない私に、主の憐れみは、、どれほどに注がれているか。その愛を受け取った人は、幸いです。