使徒の働き② 1:13~2:4 聖霊降臨 教会時代の始まり ユダの最期 マッテヤの選出
1. エルサレムでの祈り
イエスの昇天後、弟子たちはエルサレムに行き、祈ってその時を待ちました。40日前に十字架刑が処された、その現場へ戻ったのです。
2. 裏切り者ユダの裁き
ユダの死の実情は、使1:17~19とマタイ27:5を併せて読むと、浮かび上がってきます。
①祭司たちに捨てられたと悟ったユダは、銅貨を神殿に投げ込み、神殿の外で首を吊って死んだ。
②発見者が死体を処分した。祭の時に、汚れた死体がエルサレムの都にあってはならなかった。
③死体が投げ落とされたゲン・ヒノムの谷は、エルサレム南東のゴミ捨て場だった。
④落ちた場所が陶器師の畑。つまり、陶器師のゴミ捨て場。割れた陶器の山の上に落ちて、ユダの体は裂けた。
⑤妻子たちは、その汚れた場所をユダの銀貨30枚で買い取り、行き倒れた汚れた異邦人の墓とした。
ゲン・ヒノムの谷は、ゴミを燃やす火と煙の絶えないところでした。ここから、ゲヘナ(地獄)という言葉が生まれました。
エルサレムが、天の都の雛形なら、ゲン・ヒノムの谷は、ゲヘナの雛形です。ユダの死体がゲン・ヒノムの谷に投げ落とされたということは、ユダが裁かれたことを現しています。
最後の最後まで、悔い改めのチャンスは与えられましたが、ユダは、神を拒み、滅びにいたったのです。
3. マッテヤの選出
ユダの穴を埋める必要がありました。12使徒はイスラエル12部族の代表であり、来たるべき神の国・千年王国を、イエスと共に治めることになっているからです。
イエスの公生涯をバプテスマから昇天まで共にしたことを条件に、12使徒の欠員を埋める候補が挙げられ、さらに、くじでマッテヤが選出されました。
律法には、大祭司がウリムとトンミルという石を用いて、神の判断を仰いだことが記されています。
くじ云々というより、忖度ならぬ神託によって選ばれたということが大事です。使徒たちは、大祭司のように、神託する権威を神から与えられていたことが分かります。
4. 聖霊降臨
イエスが十字架につけられて50日後、エルサレムは、イスラエル三大祭の一つ五旬祭・ペンテコステの時でした。ヘブライ語ではシャブオット(7週の祭)。モーセの律法の授与を記念する祭です。
イスラエル内からはもちろん、様々な国から、離散のユダヤ人たち(ディアスポラ)が集っていました。
120名ほどの弟子たちは、イスラエルの「家」であるエルサレム神殿の一角に集って祈りを献げていたのでしょう。
そこに激しい神の顕現が起こります。激しい風のような響き、炎のような舌は、神の栄光・シャカイナグローリーです。
かつてモーセと民が、シナイ山で律法を授与された時にも、全山を火と煙が覆う、激しい神の顕現があったことを思い起こします。
弟子たちは、聖霊で満たされ、様々な言語で福音を宣言しました。
聖霊により、新しい律法が、福音を信じた者の心に刻まれた。新しい契約が発動したこの瞬間が、キリストの体なる教会の始まりでした。
5. 時を待つ、ということ
弟子たちは、心をあわせて祈り、ユダヤの最後、つまり神の裁きに目をとめ、これからの働きに備えて、欠けた使徒を選びました。
弟子たちが祈りつつ心を向けていたのは、主イエスに教えられた神の国の計画そのものでした。
待つ時とは、今を確認し、次に備えるべき時だと教えられます。
御言葉を学び、神の計画に目をとめ、今できることを行い。ゴールを見据える。時が来れば、主ご自身が働きかけてくださると、信頼して待つことの大切さを教えられます。
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