動画&まとめ ⑰使徒の働き 15章「ユダヤ人からの贈り物」エルサレム会議にて
1. 異邦人の救いをめぐる論争 15:1~3
異邦人も救われることは、すでに明らかでした。問題は救いの条件とは何かです。
パリサイ人からの改宗者である割礼派は、ユダヤ人のようにならなければ、異邦人は救われないと教えていました。
激しい論争の末、パウロたちは、話し合いのため、エルサレムに向かいます。宣教旅行の成果をもたらす旅でもありました。
報告を聞いた信者たちは、異邦人への福音の広がりに、驚き、喜んだのでした。
2. エルサレム会議にて 15:4~21
エルサレムでも激論が起こりました。ペテロは、カイザリアで異邦人に聖霊が降った出来事を改めて語ります。
誰も守れなかった律法を、主イエスが完全に成就された今、ただ主イエスを信じる信仰により、救われるのです。
続いてバルナバとパウロが宣教旅行の報告をした後、イエスの兄弟ヤコブが立ち上がります。
ヤコブがアモス書を引用して語ったのは、ダビデの家と王位、イスラエルの回復の預言の箇所でした。
つまり、異邦人の救いの後、イスラエルの回復が起こるということです。
会議の結果、異邦人もただ信仰と恵みによって救われることが確認されました。
異邦人には、ユダヤ人への配慮として、偶像に備えた肉と血を避けることだけが求められたのです。
これは、律法を大切にしているユダヤ人信者と異邦人信者が、共に食事ができるための最低限の配慮でした。
3. 諸教会への手紙 15:22~33
会議の決定を伝えるべく、ユダとシラスの二人が、改めて使徒の資格を確認されたパウロ、バルナバと共にアンテオケへ派遣されました。
会議の決定は、聖霊の決定でした。つまり、主イエス御自身の決定です。
偶像に捧げた肉についてパウロは、Ⅰコリ8:8~9で、食べても食べなくても問題ないが、食べてはならないという弱い人たちのつまずきとならないように気をつけなさいと語っています。
大切なのは、兄弟愛に基づく配慮です。偶像に捧げた肉についてのエルサレム会議での裁定は、新たな律法ではなく、配慮ととるべきものでしょう。
エルサレム会議での最大の成果は、ユダヤ人も異邦人も、ただ福音を信じて救われるという大原則が確認されたことでした。
4. ユダヤ人からの贈り物
エルサレム会議では、普遍的な救いの原則の確認と共に、異邦人に対して、ユダヤ人への最低限の配慮が求められました。
それは、異邦人がユダヤ人への福音宣教の妨げとならないためです。
ユダヤ人は、民族的にメシアを拒み、福音は、ユダヤ人から異邦人へ広がっていきました。異邦人が主流である状況は、教会時代の終わりまで続きます。
しかし、最後にユダヤ人は、民族的回心へと導かれ、キリストが再臨されるのです。
異邦人に与えられた役目は、ユダヤ人に妬みを起こさせ、福音を伝えること。ユダヤ人から与えられた福音という賜物を、再びユダヤ人へ返す。すべての異邦人信者に与えられた使命です。