十勝の鹿追町 聖書と人生のいろいろ

withコロナ時代の教会のニューノーマルとは? 大教会時代の終焉 初代教会への立ち返り

2021/03/31
 
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2016年9月に、十勝鹿追町オープンした小さな教会です。,Voluntarily(自発的に),Open(開放的に),Logically(論理的に),聖書を学んでいます。史上類をみない大ベストセラー、聖書について、一緒に学んでみませんか? 執筆者は、牧師:三浦亮平です。

1.コロナ渦で、想定される最悪の事態とは?

コロナ渦で露わにされているのは、様々な組織のリーダーの本質です。

評価されているリーダーに共通しているのは、科学的見地を根拠に具体的な対策を講じ、率直に丁寧に説明し、誠実に語りかける姿勢です。

最悪を想定し、最善を尽くす。

危機に対する姿勢が、今ほど、求められている時はありません。

 

コロナ渦において想定される最悪の事態とは、“収束しない”ことだと考えます。

つまり、ウイルスの性質上、抗体ができず、ワクチンの効果も期待できない、人類は集団免疫の獲得に至らない、というケースです。

 

一ヶ月で経済がガタガタになるロックダウンなど、いつまでも続けられるものではありません。

ある程度の犠牲を覚悟して、できるだけ経済を回していく、というのが、各国に共通した方針であるようです。

当然のことながら、生活スタイルは、感染対策を施したものが、日常になります。

この状態は、ずっと続く。それを前提とした対策が求められていきます。

 

2.教会に、現にもたらされている影響

最悪の想定から、教会の有り様を考えていく必要があります。

なんと言っても、一番大きな影響は、大勢が集えないということです。

 

出席者を分散して、日に何度も礼拝を行う。出席できる人を週ごとに分ける。ライブ配信をメインにしていく…。

各々の教会で、いろいろな施策がとられています。

このことから、様々な課題が明らかになってきています。

 

すでに多くの教会で指摘されているのは、献金額の減少です。

確かに、礼拝出席と献金額は、比例しているものです。

関連して、礼拝の出席率も下がります。霊的な状態が低下して、信仰から離れてしまう人も増えているようです。

礼拝がリモートになってから、簡単に休めるようになってしまったと自嘲してている人がいました。

 

超高齢化が進む日本の教会。平均年齢が70歳以上というところも少なくありません。

牧師や長老、役員についても同様です。

高齢者ほど重傷者率が高い新型コロナですから、教会への影響は甚大です。

健康上の不安を抱えていて、出席をためらう人もいます。無理のないことです。

一ヶ月、二ヶ月なら、なんとか乗り越えられても、これが、1年、2年、それ以上となった場合に、はたして教会はどうなっていくのでしょうか?

 

3.想定される、教会の最悪の状況

長期化するほど、教会員の士気は下がり、献金も減少していくでしょう。

集うこともできない大きな会堂は、もはや負担でしかありません。

コロナ渦の長期化は、経済的な困難につながります。

会堂の維持管理ができなくなるところも出るでしょう。

地方では、すでに直面させられている現実ですが、これから、都市部においても、会堂の閉堂や宗教法人の解散も増えてくることが考えられます。

 

直接の影響として最も懸念されるのは、教会でクラスターが発生し、多くの重傷者や死者が出てしまうことです。

役員や牧師が次々と倒れるケースもあり得ます。

牧師への依存度の高い教会では、たちまち教会運営が行き詰まってしまうところも現れるでしょう。

 

お隣の韓国では、教会でクラスターが頻発しましたが、教会で集うことが、小グループも含めて禁止される事態になっています。

違反が見つかれば、高額の罰金も科される非常に厳しいものです。

日本の教会は、韓国をはじめ、直接的、間接的な多くの支援を、海外の教会から受けてきました。

日本の教会は、否応なしに、独り立ちを求められていると思います。

 

現在の教会を維持するという点では、なんとか踏ん張れたとしても、最大の課題は伝道です。

教会に気軽に誘える状況ではない中で、未信者にとっての敷居はこれまで以上に高くなります。

伝道集会は、もはや伝道の機会にはならないでしょう。大規模な集会など、不可能です。

 

コロナ渦は、日本の教会が抱えていた様々な問題の悪化を、加速させています。

ただでさえ、20年後には教勢が半減すると言われる日本の教会の厳しい現状があります。(2030年問題)

その危機が、一気に前倒しでやってくれば、教派、教団単位で、存亡がかかった危機に直面せざるを得ないでしょう。

 

4.大教会時代の終焉

4世紀のローマによるキリスト教の国教化以来、教会は、組織的、制度的な大教会路線で突き進んできました。

組織的拡大こそ、教会の成長だとみなされてきたわけです。

近年においても、何千、何万と信者を集めるメガチャーチに注目が集まり、目指すべき模範とされてきました。

 

しかし、コロナ渦の今、大勢が集うことが難しくなってしまいました。

大きな会堂の維持管理には、それだけでも膨大な費用がかかります。

荘厳な大聖堂も、コンサートホールのような大礼拝堂も、もはや負担でしかありません。

 

大きな教会の最大の魅力は、当然のことながら、何より大勢が集うことです。

何千人の祈りに圧倒され、賛美に酔いしれる。種々の集いや多様なプログラムが用意され、個々人のニーズに細やかに応えてくれる。

その一切が失われてしまうなら?

千年以上続いた大教会時代は、今、終焉を迎えようとしています。

 

5.現状で最善を尽くすなら?

今なすべき最善とは何か、これは極めてシンプルだと思います。

クリスチャンのなすべき最善は、福音宣教と御言葉の解き明かし。

その使命は、何も変わっていません。

この変わらぬ使命を、ネットでもなんでも、今できる手段で、行えばいい。

コロナ渦の状況で、なすべき使命は、むしろくっきりと浮かび上がっています。

 

目の前の問題に、現実的な対応が求められる場面も多々あるでしょう。

たとえば、身の丈に合わない不動産を整理し、持続可能なコンパクトな集会所を建てる、というようなことが考えられます。

慣れ親しみ、愛着のある建物や土地を手放す。

苦渋の選択をなすためには、聖書の原則に立ち返っていく必要があります。

教会とは何か? 教会がはたすべき使命とは何か?

根本的な問いかけが、すべてのクリスチャンに対してなされています。

 

最も力強く伝道がなされた初代教会の時代に、教会堂などありませんでした。

個人の家に集い、熱心に御言葉に心を傾ける人々の姿が、使徒行伝には記されています。

今も、厳しい迫害下に置かれながら、なお福音が広がっている地域があります。

建物や場所に縛られることはない。それが、命に満ちたキリストの体なる教会です。

withコロナ時代のニューノーマルとして、私たちが目指すべきは、本質に立ち返った教会なのだと教えられます。

福音宣教と御言葉の解き明かし。その使命に立つならば、場所など問題ではありません。

 

ネットでのバイブルスタディを始めました。会議アプリを使ったオープンな形での分かち合いも持っています。

十数人の方が集っていますが、そこには豊かな交わりと霊的成長の促しがあります。

ネット上のその空間も確かに、教会なのだと実感させられています。

様々な制約がある中でも、使命に立ち続けて行くなら、そこに主が教会を建てられていくのです。

 

私たちの鹿追教会で、礼拝に直接集うことができているのは、小さな教会だからこそと言えます。

顔と顔を合わせた交わりにまさるものはありません。

withコロナの時代にも、人数と場所の問題さえクリアできれば、直接つながることはできます。

家の教会などの小さなグループが、これから、否応なしに、伝道、牧会の中心となっていくことでしょう。

 

6.あなたさえ、それを望むなら

withコロナの時代にあっても、交わりも、学びも、礼拝も、これまで以上に確かに味わって行くことができます。

あなたさえ、それを望めば、です。

今、求められているのは、クリスチャン一人一人の自発性です。

神と世をとりなす祭司としての使命をもって、日々に遣わされて行くならば、あなたの信仰生活は、大きく開かれ、豊かな実りを得ていくでしょう。

 

今の状況から一つ、主の促しを受け取るなら、最初の愛に立ち返りなさいということに他なりません。

“主イエス・キリストは、私の罪のために十字架にかけられ、死んでほうむられ、死を打ち破って復活された。“

 

福音を信じて救われた、あの喜びと感謝を持って、一人一人が、伝道者として、押し出されていくこと。

迫害によって、エスラレムを追われた人々が、世界宣教に遣わされて行ったように。

会堂から散らされた私たちも、ここから派遣されていくよう、強く促されています。

 

福音宣教と、御言葉の解き明かし。その使命に立たされ、遣わされて行くとき、すべての必要は満たされていきます。

主の約束です。

 

マタ 6:33 まず神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはすべて、それに加えて与えられます。

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