動画&まとめ マルコ15:1~20 あなたもそこにいたのか 総督ピラトとローマの政治裁判
1. 総督ピラトの尋問 15:1~5
ユダヤ議会は、神への冒涜罪でイエスの死罪を決めました。しかし、死刑執行権を剥奪されていたため、ローマ総督に、イエスを身柄を引き渡します。
当時のユダヤ地方総督だったポンテオ・ピラトは、残忍な支配者として恐れられる一方、優秀な法律家であり、有能な行政官でもありました。
メシアと噂されたイエスのことも、ユダヤ議会の動向もつかんでいたことでしょう。
「おまえはユダヤ人の王か?」と尋ねるピラトに、イエスは「あなたは、そう言います」と返します。
「あなたは、わたし(イエス)を誰だと思うのか」 このイエスの言葉は、すべての人に投げかけられた問いです。
祭司長たちは、イエスを厳しく訴えるも、決め手に欠けました。
散々侮辱され、罵られ、なお一言も自己弁護をしないイエスに、さしものピラトも驚きました
2. 死刑判決 15:6~15
総督には、ローマ法への忠実さが求められます。ユダヤ地方総督ピラトは、法に対しては忠実な番人でした。
ピラトは、ユダヤ人に向かって、一人の囚人を恩赦しようと提案します。
民衆に、イエスの解放を求めさせ、違法な死刑判決を回避しようと考えたのです。
しかし、群衆が選んだのは、神の子イエスではなく、極悪人のバラバでした。
祭司長たちが扇動したのです。群衆はさらに、「十字架につけろ」と叫び始めます。
そこでピラトは、イエスのむち打ちを命じました。
ローマのむち打ちは、命を落とす者がいるほど過酷でした。
背中も顔もズタズタに裂かれたイエスを、群衆の前に引き出したピラト。これで群衆の気も晴れて、騒ぎも静まるだろうと考えたのでしょう。
しかし、「十字架につけろ」という群衆の叫びは、ますます強まるばかりでした。
ついにピラトは、自分には無関係だと宣言して、手を清めた後、イエスの十字架刑を言い渡したのでした。
使徒信条には、「ポンテオ・ピラトのもとで十字架につけられ」と明記されています。ピラトの責任は免れません。
彼は、「何が真理だ」と鼻で笑い、正義より保身を選び、群衆の圧力に屈したのです。
3. 十字架への道 15:18~20
十字架刑の宣告後、600名以上からなるローマの大隊により、イエスへの屈辱行為が開始されました。
十字架刑の本質は、見せしめの刑です。兵士たちは、紫の衣を着せ、茨の冠をかぶらせ、イエスを王に仕立て上げ、王様ごっこで辱めたのです。
いばらは、アダムの罪の呪いの象徴です。イエスは、人類の罪の呪いを身に受けられたのでした。
まとめ. 自分に絶望した者は、主を仰ぎ見る
まずユダヤ人がメシアを拒み、そして、異邦人もメシアを拒みました。
地上の宗教的権威も、政治的権威も、真実の大祭司であり、王の王であるメシアを拒みました。
すなわち、私たち人類は、メシアを拒んだのだということです。
そして、十字架上でメシアは、父なる神から拒まれることになります。
もしあなたが、あの時のエルサレムにいたなら、どこにいたでしょうか?
聖書は、どこに身を置いていた人も、メシアを拒んだのだと記しています。
今、この時代の最も重い罪、それが、私の罪のために十字架にかけられたイエス・キリストを信じないことです。
罪人の自覚が強まるほどに深まる、贖いの恵みがあります。
この逆説的な救いの真理を、さらに味わっていきましょう。