聖徒伝97 ダビデ編13 サムエル記第二11~12章 ダビデの罪とバテ・シェバとウリヤ

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1. ダビデの罪 11章
周辺諸国最後の敵アンモンに対する勝利を目前にしたある日、ダビデは大きな罪を犯してしまいます。
宮殿屋上から沐浴姿を見初めたウリヤの妻バテ・シェバを呼び出し、関係を持ち、孕ませてしまうのです。
ウリヤは、三十勇士の一人でした。ダビデは報奨を理由にウリヤを帰還させ、妻と寝かせて証拠隠滅を図ります。
しかし、異邦人ヒッタイトの改宗者だったウリヤは、神と王に忠実な僕でした。戦いの最中に家に帰り妻と寝ることなどできないと、固辞します。
ダビデはあろうことか、将軍ヨアブにウリヤを故意に戦死させるよう命じました。
冷酷なヨアブは、嫌疑が及ばないよう、あくまで戦いの結果を偽装し、他の兵士たちも巻き添えにして、ウリヤを死に追いやりました。
喪が明けるとダビデは、バテ・シェバを妻としました。
2. 悔い改めと罪の刈り取り 12章
預言者ナタンが来て、貧しい羊飼いの話をします。手塩にかけて可愛がっていたたった一匹の雌羊を、ある男に不当にも奪い取られてしまったのだと。
そんな男は死に値すると激怒したダビデに、ナタンは告げます。「あなたがその男です」と。
続けて主の宣告がなされます。主の言葉を蔑み、主の目に悪であることを行ったこの罪によって、何倍もの厳しい刈り取りをするのだと。
後に、ダビデは、愛息アブサロムに王座を脅かされ、側女たちを陵辱されることとなるのです。
バテ・シェバの子は生まれて間もなく死にました。
しかし、悔い改めたダビデを主は憐れまれ、バテ・シェバとの間に、平和の子ソロモンを与えました。彼が次の王となるのです。
アンモンとの戦いに勝利したダビデは、王国の平和の礎を築いたのでした。
3. 悔い改めて 喜び 賛美しよう
姦淫と殺人の大罪は、ダビデが悔い改める機会を拒み続けた結果でした。
大罪は偶発的には起きません。小さな罪を重ねるほど、心は頑なになります。
罪に気づかされた瞬間が、悔い改めの時です。
ナタンの一声を受けて、ダビデは悔い改めました。それは、神が与えた最後のチャンスだったかもしれません。
神はダビデに永遠の王座を約束されていました。主の一方的な約束が悔い改めたダビデを救ったのです。
クリスチャンも大罪を犯し得ますが、救いが取り去られることはなく、悔い改めて赦されない罪はありません。
しかし、世における罪の刈り取りは、信仰者ほど厳密にあります。生きながら、地獄の苦しみを味わわされることさえもあるでしょう。
ダビデのように、機会を逃さず、即、悔い改める信仰が求められています。
王のような絶対的な権力を手にして、罪を犯さないでいられる人などいません。史上唯一、罪を犯さなかった王は、メシアなる主イエスだけです。
主の前に問われ、悔い改めるべきは常に私自身の罪です。罪を告白し、悔い改め、心からの喜びに満ちた賛歌をささげましょう。ダビデのように。