十勝の鹿追町 聖書と人生のいろいろ

新型コロナウイルス感染拡大のただ中で、これからの教会と伝道を考える

2021/03/31
 
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2016年9月に、十勝鹿追町オープンした小さな教会です。,Voluntarily(自発的に),Open(開放的に),Logically(論理的に),聖書を学んでいます。史上類をみない大ベストセラー、聖書について、一緒に学んでみませんか? 執筆者は、牧師:三浦亮平です。

1.ウイルスとは?

ウイルスは生物なのか?

学者の多数は、生物とは言えないという立場です。ウイルスは、細菌のように、自分自身で増殖することができないからです。

人間も含めて、生物の細胞には、遺伝子情報に基づいて、自らの複製を作り出す機能が備わっています。いわば設計図と工場を持っている訳です。

でも、ウイルスには、工場がありません。

なので、細胞にとりついて、細胞の中の工場を借りて自分のコピーを作り、外にまきちらすのです。

 

細胞には、自らのコピーを作った後に、間違いがないか検査する機能があります。

ウイルスの場合は、この検査がゆるめです。むしろ、変化が起こった方がいい。

あとは、とにかく、たくさんコピーを作ってまき散らすことを優先しています。

 

なぜか?

生物には、免疫という防御力があります。一度感染したウイルスには、次は負けないという抵抗力ができるのです。

それに対抗するように、ウイルスは、粗雑なコピーを繰り返しながら、少しずつ変化していきます。

これが厄介な点で、少しの変化のために、前回できた免疫が通用しなかったりするのです。

毎年インフルエンザが流行するのは、インフルエンザのウイルスが、少しずつ変化しているからです。

新型コロナウイルスも、小さな変異を繰り返しながら、増殖し続けています。

なんとか、その正体を突き詰めようとする人間と、変異を繰り返しながら拡散していくコロナウイルスと、いたちごっこが続いている訳です。

 

2.元来は人類と共存しているウイルス

人間の体の中には、実はたくさんのウイルスが共存しています。

体の機能や、赤ちゃんの誕生に関係しているウイルスすらあります。

ウイルスが存在しなかったら、生物は生存できない。

ウイルスもまた、神が「よし」として創られました。

 

ウイルスが悪さをするのは、ある種から、別な種に移ったときです。

新型コロナウイルスは、コウモリから来たのではないかという仮説があります。

たとえば、コウモリの中では平和に共存していたウイルスが、他の動物を介して、さらに人間にうつり、この課程で変異を重ね、人間から人間に移るようになったのではないか。

元が何かは分かりませんが、プロセスとしては、そういうことです。

新型ウイルスと言いますが、正確には、元から別な動物の中にいたのが、あるきっかけで人間に感染するようになったのだということです。

 

神は、種類ごとにすべての生物を造られました。

本来、生物と共存し、その一部となっているウイルスもまた、神が造られた被造物の一つです。

大洪水の原因は、人が種を越えて神の子ら(悪霊)と交わったことにありました。

ウイルスが種を越えた時に、悪さを及ぼす。極めて聖書的だと感じます。

新型ウイルスの出現の原因に、人間による美食の追求や環境破壊が挙げられます。

その結果、種の壁を越えてしまった。人間の貪欲という罪を考えさせられます。

 

3.どうすれば終息(収束)するのか?

一つは、ウイルスが変異する過程で、感染力を失ってしまうことです。また、変異したウイルスが、人間の体の中で共存するようになることもあります。

逆に、変異によって感染力を強め、致死率が高まることも考えられます。

爆発的な感染拡大という世界の現状を見ていると、ウイルス自体の変異によって収束する可能性は、極めて小さいと言わざるをえません。

 

残された道は、人類が集団免疫を獲得すること、それしかありません。

集団免疫とは、新型ウイルスにかかって治った人に免疫ができて、免疫を持った人が多数になると、その人たちが壁になって、ウイルスの感染を抑え込むということです。

世界中で、都市の封鎖や、行動制限がなされていますが、考え方の基本は共通しています。

人類が新型コロナウイルスに対する集団免疫を獲得するまでは、収束しない。

多くの人が感染するのは避けられないのだけれど、医療崩壊という最悪の事態だけはなんとか避けよう、すこしでも被害を抑えようということです。

人から人にうつるのだから、人と人との距離を空ければいい。やっていることは、実にシンプルなことですが、それしか手がないのが現実なのです。

つまるところ、100年前のスペインインフルエンザの時と、人類の根本的な対策は何も変わっていません。

集団免疫を人工的につくるのがワクチンです。

ワクチンを投与することで、ウイルスへの免疫をつくる。ワクチンを投与された人が多くなれば、感染は収まります。

 

集団免疫が自然にできる頃には、世界中で多数の死者がでることになるでしょう。

ワクチンを開発し、何億もの人に投与するまでには、通常、何年もかかります。

新薬の開発も一つの方法ですが、薬の開発は、それこそ、短期間でどうかなるものではありません。

一番現実的なことは、既存の薬で有効なものがないかですが、これも一筋縄ではいかないようです。
新型コロナウイルスに関して、終息と収束という二つの言葉が使われます。

感染が完全に終わるのが終息。一時的に収まるのが収束。

しかし、感染が完全に終息するのは、困難だと多くの専門家は告げています。

一時的に収束しても、また第二波、第三波があるかもしれない。たとえ半年後に落ち着いても、一年後は分からない。

年単位の取り組みが必要だとも言われており、インフルエンザのように、新型ウイルスも、毎年の流行を繰り返すようになるかもしれません。

基本的に、ほとんどの人は、どこかの段階で感染することは避けられない。

しかし、その中で、重篤化の可能性の高い高齢者や基礎疾患のある人、弱い立場の人々をいかに守っていくかという、困難な課題にも直面させられています。

 

4.私たちにできること

手洗いは当然として、今、私たちにできる唯一のことが、社会的距離を保つことです。

休校や閉店、外出の自粛や都市の封鎖、方法や強制力に違いがあっても、世界中で行われていることは、基本的に同じ手段です。

ただし、重症患者の急増で病院の機能が崩壊しないように、感染拡大の速度を抑え込む。それしかないのだと痛感させられます。
しかし、一方で完全な引きこもりを続けているわけにもいきません。

社会生活を保つために求められる最低限の関わりや活動もあります。

感染の拡大には、波がありますし、地域性もあります。

おりを見て、息継ぎをし、次の波に備えておく。大きな波が来る前に、思い切り息を吸い込んで、海中深く潜り、やり過ごす。

状況に応じた柔軟な対応が求められていきます。

 

それでも、多くの人は、感染を避けられません。

最終的に、ウイルスへの対抗手段は、個々人の免疫しかありません。

免疫を高めるためにできることは、バランスのとれた食事、適度な運動、質の高い睡眠、そして、ストレスをため込まないこと。

クリスチャンにとっては、主の平安を日々味わうことが最大の力です。

デボーションをし、日々御言葉を味わっていくことの大切さを、いつも以上に意識させられる日々です。

 

5.激変する時代のただ中で

各国の首脳が、これは戦争だと宣言しています。

国際関係、産業構造、人々の実生活…、社会のあらゆるものを激変させるのが戦争です。

 

移動する、集まる。そこに立ったあらゆる業種は、否応なしに縮小と再編の嵐に飲み込まれていくでしょう。

人の移動は極力減らされるが、情報は今まで以上に広がっていく。そんな社会が予想されます。

直接の交流が持てないのなら、大勢が集まる都市は、もはやリスクでしかありません。

集中から拡散へ、人々のライフスタイルも大きく様変わりしていくでしょう。

 

地域教会も例外ではありません。

感染拡大する地域で、いまだに会堂に集い続けている地域教会もありますが、そこに未信者が足を踏み入れるでしょうか?

大会堂や大集会では、もう伝道はできないでしょう。地域教会や伝道のあり方も、大きな方針転換を求められています。

たとえ、新型コロナウイルスが収束したとしても、時計の針は元にはもどりません。

それでも、感染が収まっている時や、落ち着いている地域なら、少人数の集会は可能です。

いずれにしても、大教会中心の時代は終わり、家の教会や小グループが、これからの福音宣教の中心となっていくでしょう。

すでに始まっていたその流れは、ますます加速していくに違いありません。

 

新型コロナウイルスの影響は、あらゆる民族、宗教に関係なく、及んでいます。カルトやカルト的教会も例外ではありません。

その中で、一つ朗報と言えるのは、集えないという状況は、カルトに捕らえられた人々にとって、大きな解放のチャンスになるだろうということです。

現に徹底した戸別訪問で知られた異端的カルトが、伝道活動や集会まで控える事態が起こっています。

カルトにとって、構成員を集わせることは、マインドコントロールの常套手段です。それが不可能になれば、縛りも着実に緩みます。

ネットから正しい情報を得て、脱会していく、そのような人もこの機に増えていくことでしょう。

 

全知全能の神は、この時代の伝道のツールをも、すでに用意されています。

ハーベストタイムミニストリーズが開始された定例会のライブ配信には、いきなり何千件もアクセスがあったそうです。

細々と続けてきた、私たち、鹿追教会の日曜礼拝のライブ配信のアクセス数も倍増しました。

 

引きこもっていれば、人々の思いも自ずと内向きになっていきます。

否応なしに、死と向き合わされる現実のただ中で、主が働きかけてくださるでしょう。

精神的に飢え乾いた人々に、私たちは今こそ、生きた命の御言葉を伝えていく時です。

与えられた手段を最大限に活用していくことを求められています。

 

使徒たちの伝道拡大の背後には、ローマによる道路網、各地のユダヤ人共同体、共通語のギリシャ語という、すでに整えられたインフラがありました。

時代をも用いて働かれる、主のおおいなる御業を思います。

今、この時にも、主のご計画は、進展し続けています。

この時代の終わりまで、ただ一つ、福音宣教の働きだけは止まることはありません。

道はすでに、主が用意してくださっています。ただ福音を携えて、拓かれた道に歩み出していきましょう。

 

 神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている。ローマ 8:28【口語訳】

 

※新型コロナウイルス・covid19については、まず、公の機関、専門家の情報から確認しましょう。

【参考にした本】
「ウイルスは生きている」 中屋敷均 講談社現代新書
「新型インフルエンザ 世界がふるえる日」 山本太郎 岩波新書
「知っておきたい感染症 21世紀型パンデミックに備える」 岡田晴恵 ちくま新書

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